「月別テーマ」に「夜間スクール」、退勤後の充実求める中国の若者たち

「月別テーマ」に「夜間スクール」、退勤後の充実求める中国の若者たち

新華社 | 2024-09-27 14:15:03

浙江省湖州市にある青年夜間スクールのダンススタジオで、音楽に合わせて踊る若者たち。(9月4日撮影、湖州=新華社配信/伊凡)

  【新華社北京9月27日】中国で消費や流行に敏感な若者に人気が高いSNS・電子商取引(EC)アプリ「小紅書(RED)」では現在、「アフターファイブをどう過ごすか」というトピックを検索すると、2800万件以上の関連の投稿がヒットする。「月別テーマ」に合わせて生活する、「青年夜間スクール」に通うなど、若者たちはバラエティーに富んだ過ごし方で退勤後の生活を充実させており、ソーシャルメディア上で「退勤後の新生活計画」と呼ばれるトレンドが広まりつつある。

  「月別テーマ生活法」では、これまで触れたことのない新しい事柄を1カ月間優先的に学び、翌月は別のことを始める。内容はスポーツでも趣味でも良い。時間を区切ることで心理的な負担が減り、大切にする意識も生まれる。

浙江省湖州市にある青年夜間スクールに協力するジムで、若者を教えるフィットネス講師(右)。(9月3日撮影、湖州=新華社配信/伊凡)

  「月別テーマ生活法」を提案したネットユーザーの「困困是頭小脳斧」さんは、この暮らし方を実践し始めてから、「フェミニズム本読書月間」「インテリアブロガー月間」「旅行月間」「韓国語月間」などを次々と試したという。彼女は、非常に有益で、知識と経験が豊かになるだけでなく、さまざまな活動を経験する中で意気投合できる仲間と出会い、友人の輪も広がったと評価。幅広い活動を試してこそ、自分の好きなことや嫌いなことがよりはっきりし、本当に好きなものを見つけ、興味や特技を深めることができると述べた。

貴州省貴陽市にある青年夜間スクールのカルスト広場キャンパスでギターを学ぶ若者たち。(6月20日撮影、貴陽=新華社記者/劉続)

  このほか、「青年夜間スクール」(若者を対象として就業時間外に新たな学びの場を提供する活動)への参加も、若者にとって新たな「ナイトライフ」の入り口になっている。生活関連サービス大手の美団や都市生活情報サイト「大衆点評」などのデータによると、2023年のプラットフォーム上での「夜間スクール」の検索数は前年比で10・8倍に増加した。夜間スクールでは音楽やダンス、茶芸、美容、フィットネスなど、いずれも学ぶことができる。

  ボイストレーニングに参加した女性、唐(とう)さんは「仕事中は毎日スマートフォンやパソコンの画面を見つめているしかないので、仕事の後は興味のある技能を学び、心身をリラックスさせ、友達の輪も広げたい」と話した。限られたアフターファイブの時間になぜ自分にさらなる「タスク」を課すのかと尋ねると唐さんは、「勤務時間」と「帰宅後スマホをいじる」という2点の間を行き来する単調な生活から自分を解き放ち、もっと自分の時間をつかみ取り、趣味や自己実現、健康などの面での自分のニーズを満たすためだと答えた。

山東省淄博(しはく)市張店区公園街道にある青年夜間スクールで、無形文化遺産の「掐絲琺瑯(こうしほうろう、七宝焼)」を学ぶ受講生。(5月10日撮影、淄博=新華社記者/徐速絵)

  唐さんと同じような考えを持つ10万人以上の人々が、中国のコミュニティーサイト「豆瓣(Douban)」の小組(興味グループ)「仕事後の新生活計画」に集まっている。小組の「8時間働き、8時間眠り、残りの8時間は本当にやりたいことをして、新しい人生を始めよう」という紹介文は多くの若者を引き付け、仕事後の読書やスポーツ、新しいスキル習得などの経験を分かち合っている。

  遼寧社会科学院の張思寧(ちょう・しねい)研究員は「生活の多面性を探求することで、余暇がより価値ある充実したものになり、若者の自己実現のニーズを満たすことができる」とし、このような「生活の中の儀式」は一種の確実性と秩序の感覚を際立たせ、個人の精神と心理状態を調整すると述べた。

  内面的な充足と自己探求への精神的なニーズは、文化的な生活に対する旺盛な需要を生み出し、若者たちがこれまでにない態度でアフターファイブの生活と向き合うことを可能にしている。張氏は、アフターファイブの生活を探求する時に、想像力を保ち、長期的な目標と結び付ける可能性を維持しておくことで、多様なテーマから長く深めていけるキャリアを見つけられるとの考えを示した。(記者/李卓璠)

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