野菜農家を支える長江の渡守 重慶市

野菜農家を支える長江の渡守 重慶市

新華社 | 2024-07-16 10:51:00

 10日、「渝忠客2180」を操縦する秦大益さん。(重慶=新華社記者/黄偉)

  【新華社重慶7月16日】中国重慶市忠県では毎朝6時半になると、長江の二つの渡し場、洋渡と西山の間を結ぶ客船「渝忠客2180」が出航する。乗客の多くは市街地に野菜を売りに行く農家の人々で、籠を背負い、天秤棒を担いで地元で唯一の水上公共交通機関を利用する。船長の秦大益(しん・だいえき)さん(45)は、かじを取って目的地に到着した後、高齢の乗客を手伝って野菜を運ぶ。

  2016年に高速道路が開通し、水上交通の利用者が激減したことで客船も少なくなった。秦さんと共同経営者の曹利芳(そう・りほう)さんが運営する同船だけが残されたものの、経営状況は厳しかった。

  転機が訪れたのは22年9月。秦さんの息子、秦源沢(しん・げんたく)さんが父親の仕事をスマートフォンで撮影し、動画共有アプリへの投稿を始めた。日常の光景が反響を呼んで「渝忠客2180」の人気は急上昇し、フォロワー数は200万人を突破。野菜農家を支えてほしいとのメッセージも集まるようになった。

  ライブ配信による収入で客船の運営を賄い、乗船した農家の人たちに朝食を買ったり、売れ残った野菜を買い取って福祉施設に送ったりできるようになった。秦大益さんは「船を必要とする人がいる限り、運営を続ける」と語った。(記者/黄偉、劉潺)pagebreak

10日、重慶市忠県を流れる長江の渡し場で乗客を迎えた「渝忠客2180」。(ドローンから、重慶=新華社記者/黄偉)pagebreak

10日、長江の重慶市忠県区間を航行する「渝忠客2180」。(ドローンから、重慶=新華社記者/劉潺)pagebreak

10日、農家の人々や一般乗客で満席となった「渝忠客2180」。(重慶=新華社記者/黄偉)pagebreak

10日、乗船する野菜農家を手伝うため、渡し場に着く前から船首に立つ曹利芳さん(右から2人目)と乗務員ら。(重慶=新華社記者/劉潺)pagebreak

 10日、「渝忠客2180」の航路上にある渡し場で船を待つ野菜農家や一般乗客。(重慶=新華社記者/劉潺)

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