漁猟民族ホーチョ族の伝統行事「喊江節」開催 中国黒竜江省

漁猟民族ホーチョ族の伝統行事「喊江節」開催 中国黒竜江省

新華社 | 2024-05-03 22:57:04

   2024中国ジャムス「喊江節」開会式の様子。(4月9日撮影、ジャムス=新華社記者/王建威)

   【新社ハルビン5月3日】中国黒竜江省ジャムス市でこのほど、地元の少数民族、ホーチョ(赫哲)族の伝統行事「喊江節」が開かれ、市民1万人余りが松花江に面した外灘広場や桟道に集まった。シャーマンの姿をした同民族の祈禱(きとう)隊が川に向かって気候の安定とより良い生活への願いを叫ぶと、会場からは「川開きだ! 川開きだ!」という市民の声が聞かれた。

   同市無形文化遺産センターの林長征(りん・ちょうせい)副主任は、地元の川開きの文化について、起源は千年前にまでさかのぼることができ、川の水で手を清め、人々の安寧や気候の安定を祈る風習が民間で伝わってきたと紹介した。漁業と狩猟の文化が同民族の大きな特徴であり、儀式の形態も「川に向かって叫ぶことで、幸福を祈ると同時に水中の魚たちに春の訪れを告げる形へと徐々に変わっていった」と説明した。

 無形文化遺産であるホーチョ族の口頭伝承叙事詩「イマカン(伊瑪堪)」の伝承者、呉彩雲(ご・さいうん)さんによると、同民族の人々は祈りの儀式を終えると川に入り漁を行い、1年の生産活動をスタートさせる。

 漁業と狩猟はホーチョ族にとって主な衣食の供給源になっている。魚や獣の肉を食べるだけでなく、皮を使って服も作る。

 同市の東興城商業街にあるホーチョ族の魚皮無形文化遺産工房では、無形文化遺産であるホーチョ魚皮技芸染織の伝承者、趙同華(ちょう・どうか)さんがオーダーメイド品の生産に取り組んでいる。

 趙さんは魚皮の服作りについて「1点を完成させるのに約50匹の魚が必要で、魚を真ん中から半分に切って計100枚の皮を取る。皮をなめして柔らかくする工程だけで20日余りを要するが、1匹ごとに模様が異なるので、どの服も二つとないデザインになる。先祖の知恵の結晶であり、漁業と狩猟文化が色濃く表れている」と紹介した。

 2023年冬の氷雪ブームも魚皮工芸品の販路拡大に一役買った。ハルビン氷雪大世界では趙さんがデザインした各種魚皮製品が多くの観光客に喜ばれた。ペンギンの形をしたマグネットやハンドバッグ、ハイヒール、杏の花をかたどったイヤリングなど創意あふれる魚皮製品は土産に最適で、中でも魚皮で作った夜間に光る雪の結晶オーナメントは一時品切れになるほどの人気ぶりだった。

 北方の小さな都市で、千年続く漁業・狩猟文化に新たな活力が注がれつつある。(記者/張玥、戴錦鎔、張啓明)pagebreak

   ホジェン族の名物料理「涼拌刹生魚」(刺し身の和え物)。(資料写真、ジャムス=新華社配信/楊樹金)pagebreak

   魚の皮で作った、ペンギンの形をした工芸品。(資料写真、ジャムス=新華社配信/丁赫)

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