重慶市雲陽県で発見されたトリティロドン類の想像図。(資料写真、重慶=新華社配信)
【新華社重慶4月19日】中国重慶市地質鉱産勘査開発局の208地質隊はこのほど、同市雲陽県にある中期ジュラ紀恐竜化石群に基づく雲陽恐竜動物群の研究で、恐竜と同じ環境で生息していた約1億7千万年前の動物化石を新たに見つけたと発表した。ビーバーや野ネズミに似ており、今回の発見で同動物群と共に生息していた動物の種類がさらに増えた。
動物化石の頭部はリンゴほどの大きさで、奥歯に3列の突起があり、中期ジュラ紀初期に生息していた。208地質隊の王萍(おう・へい)研究員によると、頭蓋骨や下顎骨、歯などの化石標本から見てトリティロドン類に属し、ビーバーやヤマアラシ、野ネズミに似た小動物だという。
王氏は「トリティロドンは哺乳類に似た草食性爬虫類で、中国での化石の出土は主に四川、重慶、雲南3省市と新疆ウイグル自治区のジュンガル盆地に集中している」と説明。研究では、穴掘りが得意で一般的に地下の洞窟に住み、通常は温暖な気候の広葉樹密林や低木林、流れが緩やかで水深のある川沿いのくぼ地、湖畔に生息していたことが分かっていると語った。
トリティロドン類は後期三畳紀から前期ジュラ紀にかけて世界に分布し、その後衰退したが、北東アジアでは白亜紀前期まで生息していた可能性がある。哺乳類と比較的近縁な単弓類と考えられ、哺乳類の起源を知る上で重要な証拠となり得る。
今回の研究成果は、中国の地球科学誌「古地理学報」に掲載された。関連分野の専門家は、トリティロドン類は雲陽恐竜動物群における重要な古脊椎動物の一つで、今回の発見により同動物群と共に生息していた動物の種類がさらに増えたと指摘。見つかった下顎骨は四川盆地で発見された最古のトリティロドン類の化石であり、同類の形態多様性と地理分布の広さが改めて証明されたと語った。(記者/劉恩黎)pagebreak
重慶市雲陽県で発見されたトリティロドン類の想像図。(資料写真、重慶=新華社配信)pagebreak
重慶市雲陽県で発見されたトリティロドン類の頭蓋骨化石。(資料写真、重慶=新華社配信)pagebreak
重慶市雲陽県で発見されたトリティロドン類の下顎骨化石。(資料写真、重慶=新華社配信)