浙江省仙居県のヤマモモ複合農業システム、世界農業遺産に

浙江省仙居県のヤマモモ複合農業システム、世界農業遺産に

新華社 | 2023-11-20 15:27:05

   ヤマモモ群複合農業システムの「梅茶鶏蜂」製品ギフトボックス。(資料写真、杭州=新華社配信)

  【新華社杭州11月20日】国連食糧農業機関(FAO)はこのほど、中国浙江省台州市仙居県の「古楊梅」(樹齢100年以上のヤマモモ)群複合農業システムを世界農業遺産に認定したことをウェブサイトで発表した。

  同システムは世界初となるヤマモモの世界農業遺産となった。同県はかねてより「中国一のヤマモモ栽培県」と呼ばれており、県内のヤマモモ栽培面積は14万2千ムー(約9470ヘクタール)、栽培農家は3万3千戸、ヤマモモ栽培合作社(協同組合)は450社で、生鮮ヤマモモの生産額は10億元(1元=約21円)を超えて全国一となっている。また、樹齢100年以上の「古楊梅」が1万3425本現存し、うち樹齢500年以上のものは108本、千年以上のものは28本を数える。世界最大の「古楊梅」遺伝資源庫として、県内にはヤマモモの品種が19種類存在し、同県特有の古代種が11種類含まれている。

  同県でのヤマモモ栽培は魏晋南北朝時代までさかのぼることができ、すでに1600年以上の歴史を持つ。同システムは同県の先祖代々の住民が長い年月をかけて積み重ねてきた経験が生み出したものであり、この「遺産地」が中国国内にある他の「古楊梅」主産地と異なることを示す最も明らかな特徴とも言える。ヤマモモ、茶の栽培、ニワトリ(仙居鶏)、ミツバチ(仙居土蜂)の飼育を有機的に組み合わせた複合型山地農業モデルであり、ヤマモモが茶の木に拡散光、水と肥料の保持、耐風性と耐寒性を提供すると同時に、仙居鶏に活動スペースと飼料の供給源をもたらす。仙居鶏は日常的にヤマモモの雑草や害虫を取り除き、その排せつ物は草本植物による腐植土と共に良質な肥料となる。また仙居土蜂はシステム内にある蜜源植物の授粉を手伝い、生物多様性のバランスを保ち農民に増収をもたらす。ここでは、人と自然が調和し共存するお手本が形作られている。

  同システムが世界的に重要とされる主な理由は、大量の「古楊梅」の遺伝資源を蓄積し、多様なタイプと豊富な品種を持っていることである。ヤマモモ、茶、ニワトリ(仙居鶏)、ミツバチという四つの農業種が生物連鎖に基づき、それぞれの生物学的特徴の高度な融合や完全な相互補完を実現した、「因物制宜(物の性質に合わせて適切な措置を講じる)」という中国の伝統的な農業思想を高いレベルで再現したものと言える。(記者/朱涵)pagebreak

   たわわに実ったヤマモモを撮影する観光客。(2012年6月15日撮影、杭州=新華社記者/徐昱)pagebreak

   浙江省台州市仙居県のヤマモモ専業合作社(協同組合)で新鮮なヤマモモをより分ける果物農家の人たち。(2019年6月27日撮影、杭州=新華社記者/黄宗治)pagebreak

   浙江省台州市仙居県西炉村でヤマモモの豊作を竜舞で祝う人々。(2012年6月15日撮影、杭州=新華社記者/徐昱)

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