陶磁器に見る中国・アフリカ経済貿易協力の成果

陶磁器に見る中国・アフリカ経済貿易協力の成果

新華社 | 2023-06-30 10:49:10

   23日、湖南省長沙市にある長沙銅官窯博物館の展示品。(長沙=新華社配信/瞿偉)

   【新華社長沙6月30日】中国湖南省の磁器メーカー、醴陵市(れいりょう)精陶磁業は5月下旬、セラミックス食器1万5408点を南アフリカへ輸出した。

  同社の貨物を通関した株洲税関の関係部門責任者、李術明(り・じゅつめい)氏は、醴陵市が昨年アフリカに輸出した製品は126万ドル(1ドル=約145円)に上り、ここ数年は南アフリカとチュニジア、モロッコへ生活磁器(コーヒーカップ)を中心に輸出していると説明。「新型コロナウイルスなどの影響で輸出がやや減少している。中国企業が中国・アフリカ経済貿易博覧会などの後押しを受けてアフリカ市場を深く耕すことに期待している」と語った。

  醴陵釉下五彩磁に代表される「湘磁(湖南省産磁器)」は中国と西洋の文化に溶け込み、現在は「一帯一路」を通じて遠路アフリカまで販売され、友情をつなぐ輝かしい名刺代わりになっている。

  同省の省都長沙市の陶磁器は千年前に海のシルクロードを通じてアフリカへ運ばれていた。長沙銅官窯博物館の瞿偉(く・い)館長は、銅官窯は世界の釉下多彩陶磁器の発祥地であり、唐代には製品を海外に輸出する巨大な産業群が形成されていたと説明。最盛期には約30カ国・地域に輸出され、エジプト、ケニア、タンザニアでも長沙窯磁器が発見されていると述べた。

  今年は「一帯一路」共同建設構想、「真実親誠(真実、実務、親密、誠実)」の対アフリカ政策理念、正しい義利観(道義と利益の関係を正しく処理する考え方)の提唱10周年となる。中国・アフリカ経済貿易協力はこの10年、中国とアフリカ諸国の指導者による戦略的導きの下で多くの成果を上げた。協力規模は絶えず広がり、協力分野もより多様化し、協力メカニズムはますます整備されている。

  中国の陶磁器メーカーも追い風に乗り、ますます多くの企業がアフリカとより密接な関係を築いている。ウガンダでキッチン用品を販売するカリム・ニャンジさんの店では、磁器メーカー湖南華聯磁業製の10インチプレートが人気だという。ニャンジさんは、10インチ皿は食事の盛り付けに最も都合が良く、品質も良く、コストパフォーマンスに優れることから、人々に深く好まれていると紹介した。

  湖南華聯磁業の許玲芳(きょ・れいほう)RCEP(地域的な包括的経済連携)地区総経理によると、同社は中国・アフリカ経済貿易協力の実務的措置による後押しを受け、2017年にアフリカ市場へ進出。製品は南アフリカやケニア、ウガンダ、モロッコなどへ輸出していると説明した。

  建材メーカーの科達製造は16年、海外パートナーとの合弁工場建設・全製品現地販売・技術プロセスサービスのモデルを通じてアフリカで最初のセラミック工場を建設。これまでにケニア、ガーナ、タンザニア、セネガル、ザンビア5カ国で計六つの合弁工場を設立した。22年末時点で生産ラインは14本、セラミック建材の生産能力は1億平方メートル超となり、サハラ以南の各国へ事業を広げている。

  中国の陶磁器・セラミック企業のアフリカでの事業拡大は、より多くの雇用機会も創出した。科達製造のアフリカ事業に携わる従業員は昨年末時点で6千人超となり、現地雇用の割合は9割を超えている。

  より迅速で便利な輸送条件も、新時代の中国・アフリカ陶磁器・セラミックス貿易に新たなチャンスをもたらした。22年1月19日に醴陵陶磁器を満載して醴陵南駅を出発した列車は、湖南-広東-アフリカ海上・鉄道複合一貫(シーアンドレール)輸送による醴陵陶磁器輸出の最初の列車となった。同複合一貫輸送は湖南省が統一的に計画・整備を進めた五大国際物流ルートの一つで、アフリカや中南米、中東などの地域を結んでいる。

  長沙市では29日、第3回中国・アフリカ経済貿易博覧会が開幕した。今回は前回比55%増の1350社余りが出展する。来場するバイヤー、専門業者は8千人、来場者数は10万人を超すと見込まれる。(記者/張晨光、張玉潔、阮周囲、郝王楽、陳晨)pagebreak

   23日、湖南省長沙市にある長沙銅官窯博物館の展示品。(長沙=新華社配信/瞿偉)pagebreak

   23日、湖南省長沙市にある長沙銅官窯博物館の展示品。(長沙=新華社配信/瞿偉)pagebreak

   23日、湖南省長沙市にある長沙銅官窯博物館の展示品。(長沙=新華社配信/瞿偉)

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