ラクダレースに懸ける牧民たち 中国内モンゴルで伝統文化の継承

ラクダレースに懸ける牧民たち 中国内モンゴルで伝統文化の継承

xhnews | 2026-03-22 17:30:15

7日、6千メートルレースでラクダを駆る騎手たち。(フフホト=新華社配信/康文魁)

 【新華社フフホト3月22日】中国内モンゴル自治区アルシャー盟で昨年12月から開かれていたラクダレースの大会「2025年アルシャー・ラクダスーパーリーグ」。六つの省・自治区から26チーム、1050頭が出場し、4回の月大会を経て、今月8日の決勝で最終順位が決まり幕を閉じた。アルシャー右旗から参加した娜布其花(ナブチフア)さんは6日の5千メートル、7日の6千メートルに出場した。

 ナブチフアさんの家は祖父の代からラクダレースに参加している。一般の人は個々のラクダの素質がレースの勝敗を決めると考えるが、実はそうではないという。「優れたラクダに育てるには3~5年の調教が必要だ。毎年乗らなければ、脚が鈍ってしまう」とナブチフアさんは語った。

 飼育にも気を配っている。レースに出すラクダには大豆や豌豆などを与え、牧草も厳選する。ムラサキウマゴヤシの与えすぎは禁物で、燕麦の干し草も与えすぎると体に熱がこもり、冷ます処置が必要になる。「人間の病気と同じで、状態を見て対処する必要がある」。知識は本で学んだわけではなく、親と一緒にラクダの世話をしながら身につけた。

6日、ラクダ騎射の競技に臨む選手。(フフホト=新華社配信/康文魁)

 ラクダは7~8歳の頃が最もコンディションがよく、14~15歳を過ぎると走れなくなる。ただ、ラクダの寿命は長く、30歳を超えることもある。ナブチフアさんの家では200~300頭を飼育し、レースに出場させるラクダと引退させるラクダを毎年慎重に見極めるという。

 アルシャー盟では現在、16万8千頭のラクダが飼育され、全国の3分の1を占める。2008年には「モンゴル族のラクダ飼育習慣」が国家級無形文化遺産に登録された。

 ナブチフアさんも文化継承の重要さを感じている。毎日牧草を与え、毛並みを整え、静かに声をかけ、ラクダに自分の足音を覚えさせるという親世代から教わったことを続けている。

 アルシャー左旗の牧民、阿如貢(アルゴン)さんは、伝統的な調教では忍耐と心の通い合いを重視すると説明する。名前を呼び、優しく触れてラクダとの信頼関係を築く技術は、すべて口伝えで次の世代へ受け継がれてきたという。「ラクダはあなたがどう接したかを覚えている。その感情は一生をラクダとともに過ごした人にしか分からない」と語った。

7日、8千メートルレースでラクダを駆る騎手たち。(フフホト=新華社配信/康文魁)

 ラクダレースの出場費用はほぼ全額自己負担で、交通費や飼料代、宿泊費も自腹で賄う。ナブチフアさんは今年、二連浩特(エレンホト)で開かれた大会の仔ラクダの部に出場し、5位に入賞した。3千元(1元=約23円)余りの賞金を得たが、出場する意味は賞金だけではないという。「多くの人にアルシャーのラクダを見てもらうことの方が大切だ」と話した。

 スーパーリーグが開催されるようになったことで、良質なラクダの価値が上がり、ラクダの乳製品や毛、観光などの周辺産業を活性化させた。地元で収入を得られる牧民が増え、故郷に戻って技術を継承しようとする若者も増えた。

 観光開発などを手がけるアルシャー盟文化旅游投資開発の阿栄(アロン)董事長はリーグ設立の趣旨について、競技を通じてラクダ文化を掘り起こし、ラクダ産業とスポーツ、観光の融合発展を図ることだと説明。「子どもたちが笑顔でラクダを追いかけて駆け回る姿を見ると、これこそ自分たちがやりたかったことだと感じる」と語った。(記者/趙沢輝、王雪氷)

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