
18日、黒竜江省檔案館で始まった731部隊細菌戦の史料展の一角。(ハルビン=新華社記者/何山)
【新華社ハルビン12月20日】中国黒竜江省ハルビン市の省檔案館(公文書館)で18日、旧日本軍の細菌戦を担った「731部隊」に関する史料展が始まった。日本の細菌戦が周到な計画の下、上意下達で遂行された組織的な国家犯罪であったという歴史の事実を明らかにしている。
黒竜江省檔案館、ハルビン市檔案館、侵華日軍第七三一部隊罪証陳列館など、複数の機関が収集した貴重な史料を集めた。展示は、記録文書や部隊跡地の写真、証人の証言で立体的に構成され、731部隊による細菌戦犯罪の実態を浮き彫りにしている。

18日、黒竜江省檔案館で始まった731部隊細菌戦の史料展で、展示物を紹介する職員。(ハルビン=新華社記者/何山)
同展に合わせて開催された学術シンポジウムでは、参加した専門家らが、旧日本軍の細菌戦犯罪の証拠となる文書の学術的価値と社会的意義について意見を交わした。
ロシアは最近、731部隊の戦犯を裁いた1949年12月のハバロフスク裁判に関する記録の機密解除文書を中国に提供した。侵華日軍第七三一部隊罪証陳列館の金成民(きん・せいみん)館長はこの文書について、他の証拠と補完し合い、国家犯罪の本質を明らかにする際立った価値があると指摘。「国際的な資料の裏付けにより、細菌戦についての学術的な共通認識が強化された。しかし、日本の右翼勢力は非人道的な罪を今もなお否認し、美化している」と述べた。
ハルビン市社会科学院731問題国際研究センターの宮文婧(きゅう・ぶんせい)主任は「関東軍の命令、日本大本営の指令、さらに天皇の勅令の研究からは、細菌戦は一部の将校の狂気の行為ではなく、国家の財力と研究力、軍事的動員が一体化した組織的な作戦であったことが分かる。このような連携はまさに、国家犯罪の典型的な特徴と言える」と指摘した。

18日、731部隊細菌戦の史料展に合わせて開かれた学術シンポジウムの様子。(ハルビン=新華社記者/何山)