「苗から米粒まで」スマート技術が変える農業 中国・蘇州市

「苗から米粒まで」スマート技術が変える農業 中国・蘇州市

新華社 | 2025-03-11 15:48:36

蘇州ハイテク産業開発区通安鎮にある江蘇省農作物(水稻)病虫害グリーン(環境配慮型)防除基地。(2月2日撮影、蘇州=新華社配信)

 【新華社南京3月11日】中国江蘇省蘇州ハイテク産業開発区にある通安現代農業パークで生産部の責任者を務める金水洪(きん・すいこう)さんは、春の農期を迎えても病害虫検査や肥料散布、除草などで田畑を駆け回ることなく、制御センターからスマート農機を遠隔操作している。

 金さんは「以前の農地管理は人手がかかり、時間と労力を要したが、高水準農地向けのスマート農業システムを導入してからは手作業が不要になった」と語った。

 通安現代農業パークはここ数年、約3千万元(1元=約20円)を投じて機械化総合農事サービスセンターを設立し、耕起から作付け、収穫、乾燥までの全プロセスで機械化管理を実現した。

 パークに足を踏み入れると、一面に広がる緑の麦畑の上空をドローンが旋回し、肥料を均一に散布していた。「ドローンなど近代化設備を用いた農薬や肥料散布の効率は人力の100倍以上になる」。金さんのスマートフォンの画面を見ると、ドローンの作業位置や軌跡、速度、作業面積などが一目で分かり、農地の状況もはっきりと確認できた。

1日、通安現代農業パークで、肥料を散布するドローン。(蘇州=新華社配信)

 農業用ドローンの活用は、中国のスマート農業の進展を象徴している。高水準農地向けのスマート農業システムは、リモートセンシング衛星やスマート水栓などのIoT(モノのインターネット)センサーから収集したデータを統合し、人はパソコンでマウス操作するだけで農地の情報を把握できる。

 パークの唐雪峰(とう・せつほう)総経理によると、リモートセンシング衛星技術を利用することで土壌指標の動的モニタリングや地質評価ができるほか、監視カメラやドローンなどの画像収集ツールにイネの生育アルゴリズムを組み合わせることにより生育モデルも構築できる。

 パークがある通安鎮の蔣佳偉(しょう・かい)建設・農村工作弁公室主任は「苗一本から米一粒に至るまで、デジタル技術と農業の深い融合は従来の耕作モデルを変え、穀物の豊作に向けた『スマート』な基礎を築いた」と語った。(記者/劉巍巍)

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