【新華社北京2月21日】中国北京市のロボット開発研究機関、国家地方共建具身智能機器人創新中心(国家地方共建エンボディドAIロボティクス・イノベーションセンター)が自主開発した人型ロボットがこのほど、階段を上り、雪上を走る能力を披露した。同センターは、人型ロボット「天工」の「小脳」を継続的に進化させ、雪上や階段、砂地など複雑な地形に対応できる運動能力を強化した。
アップグレードされた「天工」は、北京市の海子墻(かいししょう)公園で134段の階段を滑らかに上り、高台の頂上に到達した。これまで人型ロボットが複雑な地形に適応することは、難しい課題であり続けた。「天工」のスムーズな階段上りの真髄は、感知能力と運動アルゴリズムにある。エンジニアによると、「天工」は多機能エンボディドAI「開物」に搭載された身体性を持つ「大脳」と「小脳」により、環境を自ら感知しながらの歩行を実現。歩行中に前方の地形をはっきりと認識し、即座に正確な環境分析を行い全身の動きと歩行状態を調整することで、不規則に変化する階段の状況に自在に対応できるという。
現在の人型ロボット開発において、複雑な路面を高速で走ることも、同様に大きな課題となっている。速度と安定性の両立が困難だったが、今回「天工」はこの状況を克服した。以前は時速6キロだった「天工」は、安定的な走行速度が時速10キロ、最高で12キロに達した。階段だけでなく雪上や砂地、坂道などの複雑な地形でも、大股で歩き、速く走ることができる。
階段を着実に上り、転ばず走る能力は、人型ロボットにとって複雑な環境に自律的に対処する能力を新たな段階へ引き上げ、救援や捜索など複雑な場面での実用化へ近づき、エンボディドAIの普及に向けた基礎を築くことになる。(記者/張漫子、馬暁冬)