幸せと豊かさへ向かう「村列車」　中国貴州省

   【新華社貴陽２月２１日】中国貴州省貴陽市の貴陽駅と銅仁市の玉屏駅を往復する５６４０／３９号列車は、各駅に停車する「鈍行列車」で、路線は同省の少数民族居住地域を通っている。１９９７年に運行を開始して以来、沿線に１０以上ある小駅周辺の１００を超える少数民族の村の住民に、安価で便利でスピーディーな移動手段を提供してきた。

   沿線の人々は、同列車に乗って親戚や友人を訪ね、ニワトリやアヒル、牛、羊、果物、野菜、地元の特産品などを山から街へ運び、あるいは列車内で販売する。

   同列車では春節（旧正月）期間に、雰囲気を盛り上げ、乗客に移動中も楽しんでもらおうと、車内で竹製の管楽器「蘆笙（ろしょう）」や草笛の演奏、琵琶の弾き語りなど、無形文化遺産の芸能を披露し、車内の乗客に貴州省南東部の少数民族文化の魅力を伝えた。

   ここ数年、野菜販売のためこの「鈍行列車」を利用する住民が増えている。列車はにぎやかな「移動市場」となり、親戚や友人を訪ねる「幸せ行き快速列車」、さらには山間部の農産物を外の地域に販売する「富裕行き快速列車」となっており、村民たちは親しみを込めて「村列車」と呼んでいる。（記者／劉勤兵、周宣妮）