上海で開催された2024星穹鉄道コンサートでトン族大歌を披露する貴州「舞楽蝉歌」楽団。(2024年5月1日撮影、貴陽=新華社配信)
【新華社貴陽2月20日】中国でアニメ映画「哪吒之魔童閙海」(ナタ2、「ナタ~魔童降臨~」の続編)が大ヒットする中、劇中に流れる中国少数民族トン族の伝統歌謡「トン族大歌」がまるで天上の音楽のように、映像と一体となって感動的な視的、聴覚的効果を生み出していると評判になっている。その陰には、中国産アニメを墨、音楽を筆として、中国の神話物語のきらびやかで美しく変化に富んだ姿を描き出そうと取り組んだ映画製作チームと貴州「舞楽蝉歌」楽団の情熱があった。
楊想妮(よう・そうじ)さん(27)は、貴州省黔東南(けんとうなん)ミャオ族トン族自治州榕江県三宝トン寨出身のトン族女性で、同楽団の責任者とリードボーカルを務めており、「小学校3年生の時に学校のトン族大歌合唱団に入り、先生について本格的にトン族大歌を学び始めた。いつか自らの表現でトン族大歌の魅力を世界に伝えたい」と話す。
上海で開催された2024星穹鉄道コンサートでトン族大歌を披露する貴州「舞楽蝉歌」楽団。(2024年5月1日撮影、貴陽=新華社配信)
貴州大学音楽学院を卒業後、楊さんはためらうことなく故郷に戻ることを決め、歴史ある芸術のトン族大歌が子どもたちの心に根付くようにと、村の子どもたちにトン族の歌を教える週末無料教室を開いた。しばしの努力の後、楊さんは同楽団を結成した。音楽を通してトン族文化を伝えたいという夢を抱くメンバーが省内のさまざまな市、県、村から集まった。楽団はトン族大歌の伝統的なメロディーを革新し、現代のさまざまな音楽の要素を取り入れただけでなく、「ナタ2」製作チームと協力して作品の音楽を担当し、伝統音楽と現代の音楽の見事な融合を実現した。
「ナタ2」が国内外でヒットするにつれ、同楽団とトン族大歌もかつてないほどの注目を集めている。楊さんは「今回のコラボレーションは、映画に独特の芸術的魅力を加えただけでなく、トン族大歌の継承と発展に新たな道を開いた。より多くの『国潮』(中国の伝統要素を取り入れたトレンド)や中国産アニメとコラボし、トン族大歌をより広い舞台へと押し出したい」と話している。(記者/周宣妮)
アニメ映画「哪吒之魔童閙海」のプロモーション新春特別生放送でトン族大歌を披露する貴州「舞楽蝉歌」楽団のメンバー。(貴陽=新華社配信)