丁集鎮で製造された婚礼衣装。(1月14日撮影、合肥=新華社記者/汪海月)
【新華社合肥2月20日】ブライダル産業が盛んな中国安徽省六安市丁集鎮は湖北、安徽、河南の3省にまたがる大別山区に位置する。人口5万人余りの同鎮で、ブライダル産業に従事する人は1万5千人以上に及ぶ。
産業チェーンを構成する企業500社余りが年間500万着近い婚礼衣装を製造・出荷し、年間生産額は24億元(1元=21円)に上る。うち30数社の貿易企業が、米国やニュージーランド、スペインなど世界の多くの国と地域に製品を輸出している。
かつては同鎮から大勢の人が、婚礼衣装の主要産地の一つである江蘇省蘇州市に出稼ぎに出て、製造や経営に携わっていた。その後、ブライダル産業は蘇州から移転し、同鎮による企業誘致策も相まって、多くの人が故郷に戻って起業するようになった。
今では毎日1万5千着以上の婚礼衣装が、ここから全国各地さらには海を越えて出荷されるようになった。同鎮の婚礼衣装の売り上げが拡大した理由に、技術やデザインの革新がある。
多くの工場が自動裁断機やコンピューター刺しゅうミシンなどを導入し、手作業に頼っていた製造工程の一部を機械に切り替えることで生産性を向上させた。技術の高度化に加え、デザインの改良やブランディングの強化、販路拡大にも取り組んだ。
丁集鎮で動画投稿アプリ「抖音(ドウイン)」を使って子ども用の礼服をライブ配信で販売するキャスター。(1月14日撮影、合肥=新華社記者/趙金正)
鎮内の婚礼衣装メーカー、六安市忠縁婚紗礼服の工場責任者で、2018年に同鎮に戻った許小竜(きょ・しょうりゅう)さんによると、許さんらのチームは毎日3、4種類の新作を発表し、サンプルを市内の実店舗で試験的に販売して、市場の反応を見てから量産の可否を決める。全国に数百社ある婚礼衣装取扱店と提携したほか、大手電子商取引(EC)サイトにオンラインショップ十数店舗を相次ぎ開設した。繁忙期には連日2千個近い小包を出荷し、昨年の売上高は8千万元近くに上った。
鎮ではここ数年、より垂直的に細分化された産業構造が構築されつつある。伝統的な婚礼衣装から、婦人服や子ども用の礼服、新しい中国の伝統衣装などさまざまな分野を徐々に開拓し、世界中の消費者の心をつかんだ。
同じく鎮内にある婚礼衣装メーカー、六安市奥麦斯服飾の許丙超(きょ・へいちょう)総経理は「クリスマスが過ぎると、わが社は加工貿易の繁忙期に入り、6月まで忙しくなる」と語った。
鎮政府が開示したデータによると、鎮内には貿易企業・メーカーが30数社あり、製品は30余りの国と地域に輸出され、年間生産額は6億元近くに上る。
同鎮はブライダル産業の付加価値をより高めようと、3・15平方キロに及ぶ「中国・丁集婚礼特色小鎮」の建設を計画。婚礼衣装の生産・販売、婚礼文化、婚礼写真、ショー・展示などを集約し、ブライダル産業の一層の拡大や高度化を目指している。(記者/汪海月、趙金正)
婚礼衣装を作る丁集鎮の作業員。(1月14日撮影、合肥=新華社記者/趙金正)
ECサイトのライブ配信で婚礼衣装を販売する丁集鎮の婚礼衣装工場の販売員。(1月14日撮影、合肥=新華社記者/汪海月)
丁集鎮で動画投稿アプリ「抖音(ドウイン)」を使って子ども用の礼服をライブ配信で販売するキャスター。(1月14日撮影、合肥=新華社記者/趙金正)
丁集鎮で製造された中国の伝統的な婚礼衣装。(1月14日撮影、合肥=新華社記者/汪海月)
自動裁断機を操作する六安市忠縁婚紗礼服の工場責任者、許小竜(きょ・しょうりゅう)さん。(1月14日撮影、合肥=新華社記者/趙金正)