上海新空直昇機の遊覧ヘリのコックピット越しに見る黄浦江沿岸の夜景。(1月27日撮影、上海=新華社配信)
【新華社上海2月10日】中国の今年の春節(旧正月)連休は、2024年の第14期全国人民代表大会(全人代)第2回会議の政府活動報告に初めて「低空経済」(低高度を飛ぶ有人・無人航空機を活用した経済活動)が盛り込まれてから最初の春節となり、長江デルタ地域(上海・江蘇・浙江・安徽1市3省)でヘリコプターによる輸送サービスを手がける上海新空直昇機も連休中の乗客が550人超と業績を伸ばした。うち508人が低空遊覧の乗客だった。
客室に春節の装飾が施された上海新空直昇機のヘリ。(1月27日撮影、上海=新華社記者/許暁青)
ヘリコプター操縦士でもある同社の曹新田(そう・しんでん)董事長は、24年は中国の「低空経済」元年だったとし「事業はこれまでの緊急救援や医療チャーターなど『空中リレー』業務から『低空文化観光』へとシフトしつつある。低空経済の概念が大きく広がり、市場の潜在力と活力の大きさを感じている」と語った。
上海新空直昇機の遊覧ヘリから見た浦東新区陸家嘴の夜景。(1月27日撮影、上海=新華社配信)
昨年までの春節連休は、一部の利用者に対するプライベートサービスのみだった。曹さんは「以前は上海から江蘇省昆山、浙江省嘉興、安徽省合肥への帰省が中心で復路は空で飛んでいたが、今では業務の幅が広がった」とし、低空文化観光だけでも昼は黄浦江沿いの浦西側、夜は浦東側の上海ディズニーリゾート付近で短距離の空中遊覧を提供できると紹介した。
上海ディズニーランドの花火を上空から観賞する客を乗せて離陸準備をする上海新空直昇機のヘリ。(1月27日撮影、上海=新華社記者/許暁青)
24年第3四半期(7~9月)からは、上海市経済・情報化委員会の計画に基づき上海浦東国際空港と江蘇省蘇州市の昆山シティーエアターミナルを結ぶ双方向の低空タクシーサービスの試験業務も開始。通勤時間が大幅に短縮され、旅客の移動がより便利になった。今年の春節連休中に同社が両地点間で運んだ乗客は45人で、上海と浙江省杭州・紹興両市などを結ぶ長江デルタ路線の需要も旺盛だった。
上海市の浦東星野飛行基地で、夜景と花火を観賞するため上海新空直昇機のヘリに乗り込む乗客。(1月27日撮影、上海=新華社記者/許暁青)
上海市は今後も低空航路のカバー地域を拡大するとしており、長江デルタの通勤路線を増やすほか、市内の低空文化観光路線も複数開設し、低空経済に新たな成長エネルギーを注入していく。(記者/許暁青)
上海新空直昇機の遊覧ヘリから見た上海ディズニーランドの花火。(1月27日撮影、上海=新華社記者/許暁青)
上海新空直昇機の遊覧ヘリから浦東新区陸家嘴の夜景を撮影する乗客。(1月27日撮影、上海=新華社記者/許暁青)