濃厚な祝賀気分と美食、中国の東北地域で過ごす春節が人気

濃厚な祝賀気分と美食、中国の東北地域で過ごす春節が人気

新華社 | 2025-02-03 17:00:07

長影世紀城の灯会(ランタン祭り)の会場でランタンを撮影する観光客。(1月29日撮影、長春=新華社配信)

 【新華社長春2月3日】中国吉林省の長白山の麓に位置する錦江木屋村ではこの時期、夜のとばりが降りると民宿に明かりが灯り、窓に貼られた真っ赤な剪紙(せんし、切り絵細工)や「福」の字を書いた赤い紙が映える。熱々の餃子が食卓に並び、子どもたちは庭で爆竹や花火を鳴らして、歓声を上げ雪の上を走り回る。

 同村の民家はいずれも丸太でできており、かつて村民は耕作や木材伐採で生計を立てていたが、今では氷雪観光のおかげで、百年の歴史ある村はよく知られた「インフルエンサー村」となっている。

 広東省からの観光客、任静(じん・せい)さんは「東北地方に来て家族で春節(旧正月)を過ごすのはこれが2回目で、ここの新春ムードが気に入っている」と述べ、「秧歌(ヤンコ踊り)や氷の彫刻、雪像も見て、子どもは大喜びだった」と顔をほころばせた。

 和やかで喜びに満ちた春節の雰囲気は、農村から都市へと広がっている。同省長春市の映画テーマパーク「長影世紀城」では、華やかな花灯(飾りちょうちん)100組近くが星のように輝き、多くの観光客を魅了し、ランタンフロートが行き交い、新春歌謡大会が盛大に開催され、大規模な花火ショーが歓声を浴びた。

延辺博物館で行われた無形文化遺産パフォーマンス。(1月21日撮影、長春=新華社配信)

 黒竜江省ハルビン市の有名観光地、中央大街では通りの両側に美しい氷像が立ち並び、第9回アジア冬季競技大会のマスコット「浜浜(ビンビン)」と「妮妮(ニーニー)」の前には記念撮影の順番を待つ列ができている。小吃(シャオチー、軽食)の屋台には、糖葫芦(タンフールー、果実を使ったあめ菓子)や凍梨(冷凍ナシ)が並び、熱々の焼き芋の香りが漂う。

 北京市から訪れた張寒(ちょう・かん)さんは「東北地域の春節には濃厚な祝賀ムードと、氷雪の織りなす美しい情景がある。人々の誠実な温かさとおいしい料理は忘れられない思い出だ」と感慨深げに語った。

 2025年の春節は、中国の春節がユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産に登録された後の最初の春節であり、吉林省延辺朝鮮族自治州では、豊富で多彩な無形文化遺産の展示や体験イベントが特別な新年の趣をもたらしている。

 同省民間文芸家協会名誉主席で民俗学専門家の曹保明(そう・ほめい)氏は「東北地方には豊かな文化があり、春節のにぎわいによって、さらに多くの人がこの地の無形文化遺産の鮮明な特色を理解し、生き生きとした躍動感を体験できる」と話した。(記者/邵美琦)

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