9月5日に北京市の人民大会堂で開催された中国・アフリカ協力フォーラム(FOCAC)サミット開幕式の会場に向かう習近平氏と各国首脳。習近平氏は開幕式で基調演説を行った。(北京=新華社記者/黄敬文)
【新華社北京12月31日】中国の新華社は30日、2024年の国際十大ニュースを選び、発表した。十大ニュースは次の通り。
1、中国の首脳外交が新たな章描く
中国の習近平(しゅう・きんぺい)国家主席はこの1年、「平和共存5原則」70周年記念大会、中国アラブ諸国協力フォーラム、中国アフリカ協力フォーラム北京サミットに出席したほか、欧州、中央アジア、BRICS、ラテンアメリカの国々を訪問するなど、国内外のさまざまな舞台で首脳外交を展開した。各国の指導者や要人との戦略的な意思疎通を深め、各国の人々に向けた友好事業も推進。世界は100年来の変動を迎える中、首脳外交は、新時代における中国の特色ある大国外交を率い、大局的な視点と責任感を示すとともに、平和的発展と協力ウィンウィンという時代の潮流を導いている。
北京航天飛行制御センターのモニターに映された「嫦娥6号」が月の裏側の土壌試料を採取する様子。(6月4日撮影、北京=新華社記者/金立旺)
2、月裏側の「サンプルリターン」実現 人類初
5月3日に打ち上げられた中国の月面探査機「嫦娥6号」が6月25日、月の裏側から採取した試料と共に地球に帰還し、人類初の月裏側からの「サンプルリターン」を成功させ、月裏側の地質理解における空白を埋めた。
ベルギーのブリュッセルで行われた欧州議会選挙の暫定結果。(6月10日撮影、ブリュッセル=新華社記者/趙丁喆)
3、欧州の複数の国で政局が変化
欧州では、経済や生活などで人々が抱える不満を利用し、極右勢力が台頭している。6月に行われた欧州議会選挙では右翼・極右政党が議席を伸ばし、内外の圧力にさらされた複数の国で政局が変化している。
米ワシントンで行われた記者会見に出席した米連邦準備制度理事会のパウエル議長。(9月18日撮影、ワシントン=新華社記者/胡友松)
4、米FRB利下げで新たな金融緩和スタート
米連邦準備制度理事会(FRB)は9月18日にフェデラルファンド金利を50ベーシスポイント引き下げを発表し、新たな金融緩和サイクルをスタートさせた。11月と12月にそれぞれ25ベーシスポイントの利下げを実施。欧州中央銀行(ECB)など主要中央銀行も金融政策を調整している。
スペインのバルセロナで行われた「モバイル・ワールド・コングレス(MWC)2024」で、深圳伝音控股(トランシオン)傘下のスマホブランドTECNOのブースを見学する来場者。(2月26日撮影、バルセロナ=新華社記者/高静)
5、AIがイノベーションの原動力に
今年のノーベル賞は、人工知能(AI)に欠かせない機械学習の基礎となる発見をした研究者が物理学賞を、タンパク質の構造を予測するAIモデルを開発した研究者が化学賞を受賞した。AIは今や科学研究イノベーションの重要なツールとなっている。中国は国連総会で、AI能力構築における国際協力強化に関する決議の採択を推進し、世界のAI発展とガバナンスに知の貢献を果たした。
主要新興国BRICSが招待国などを加えてロシア・カザンで開いた「BRICSプラス」首脳対話で記念撮影する各国の首脳や代表、国際機関の責任者。中国の習近平国家主席が出席し、「グローバルサウスの盛んな力を結集 人類運命共同体構築を共に推進」と題する重要演説を行った。(10月24日撮影、カザン=新華社記者/姚大偉)
6、「大BRICS協力」がグローバルサウスけん引
第16回BRICS首脳会議が10月22~24日にロシアで開かれ、「大BRICS協力」が本格的に始動した。習近平主席はこの1年、グローバルサウスの開放的で包摂的な協力を提唱し、グローバルサウス協力を支援する八つの取り組み、アラブ諸国との「五つの協力枠組み」、中国とアフリカによる現代化のための十大パートナーシップ行動、グローバルな発展の支援に向けた八つの行動を打ち出した。中国はグローバルサウスの団結と自立の推進に向けた貢献を続けている。
ロシア・モスクワ州のラメンスコエで撮影された、ドローンによる攻撃で被害を受けた建築。ボロビヨフ・モスクワ州知事は9月10日、同州が同日未明にドローンによる攻撃を受けたと述べた。ウクライナ空軍はロシア軍が同日未明にウクライナにミサイル2本と攻撃型ドローン46機を発射したと発表した。(9月10日撮影、モスクワ=新華社配信)
7、長引くウクライナ危機でロシアと西側の対立激化
ウクライナは11月19日、初めて米国製ミサイルでロシア領奥深くを攻撃した。ロシアは同日、核抑止基本政策を改定した。この1年、ウクライナ軍はロシア本土を急襲し、ロシア軍はウクライナ東部で攻勢を強めた。米国などの西側諸国は引き続きウクライナに武器を供与しており、ロシアと北大西洋条約機構(NATO)との対立がさらに激化している。
国連教育科学文化機関(ユネスコ)がパラグアイの首都アスンシオンで開いた無形文化遺産登録に関する政府間委員会で放映された春節に関する映像。(12月4日撮影、アスンシオン=新華社記者/朱雨博)
8、春節が無形文化遺産に 中国文化の影響力示す
国連教育科学文化機関(ユネスコ)は12月4日、「春節-中国人の伝統的な新年を祝う社会実践」を無形文化遺産に登録した。今年はさらに北京中軸線が世界文化遺産に登録され、中国が提案した「文明間対話の国際デー」制定も国際社会で一致して支持されるなど、中国文化の世界的影響力が高まり続けた。
シリアの首都ダマスカスで撮影された爆発後の煙。(12月8日撮影、ダマスカス=新華社配信)
9、シリア反政府武装勢力がアサド政権を転覆
シリアでは12月8日、「シャーム解放機構」などの反政府武装勢力がアサド政権を転覆させた。シリア情勢の急変は地域諸国や域外の大国による激しい主導権争いを引き起こし、中東地域の情勢にさらなる不確実性をもたらしている。
ガザ地区で炊き出しに集まったパレスチナの子どもたち。(12月23日撮影、ガザ=新華社配信)
10、パレスチナ・イスラエル紛争で地域の緊張高まる
イスラエルによるガザ地区での軍事行動で死亡したパレスチナ人は12月16日までに4万5千人を超えた。新たなパレスチナ・イスラエル紛争勃発後、レバノンやイランとイスラエルの間で、また紅海地域でも緊張が高まっている。米国は、国連安全保障理事会でのガザ停戦に関する決議案をかたくなに妨害し、国際社会から強い非難を受けた。