新華社「中国経済円卓会議」 第9期で議論する参加者。(北京=新華社記者/李賀)
【新華社北京12月12日】新華社は9日、オムニメディア(全媒体)形式の討論番組「中国経済円卓会議」の第9期を配信した。専門家や政府関係者がスタジオに招かれ、内需の拡大や発展原動力の強化について活発な議論を交わした。
中国は今年、国内の有効需要不足という課題に対処するため、国家重要戦略の実施と重点分野の安全能力構築を支援する政策パッケージを打ち出し、新ラウンドの大規模な設備更新と消費財の買い替え政策の実施を強化、内需拡大に努めてきた。
1~10月の中国の固定資産投資は前年同期比3・4%増えた。うち製造業投資は年初から比較的速い成長ペースを保ち、1~10月の伸び率は9・3%だった。インフラ投資の伸び率は4・3%で、1~9月から0・2ポイント加速した。
国家発展改革委員会投資司の趙成峰(ちょう・せいほう)副司長はこの二つの分野で投資が伸びていることについて、「中国の投資の規模が安定的な拡大を維持し、構造も持続的に改善していることを示す」との見方を示した。
消費市場にも前向きな変化がみられる。10月の社会消費財小売総額は前年同月比で4・8%増え、伸び率が前月から1・6ポイント加速した。1~10月の伸び率は3・5%で、1~9月を0・2ポイント上回った。
商務部消費促進司の楊枿(よう・げつ)副司長は「消費財の買い替え支援など一連の追加政策の効果が市場の売れ行きに徐々に表れ、消費市場の成長率は大きく加速している」と指摘する。「自動車、家電、家具などの高額消費の回復が顕著で、政策の効果が如実に表れている」
投資や消費にはポジティブな変化が見られるが、外部環境の変化による負の影響が強まっていることに留意する必要がある。投資・消費の安定成長維持は依然として一定の圧力に直面している。
重慶市を流れる嘉陵江のほとりで、対岸にある観光スポットの洪崖洞の夜景を眺める観光客。(8月23日撮影、重慶=新華社記者/劉潺)
国務院発展研究センター市場経済研究所の陳麗芬(ちん・れいふん)研究員は、国内の有効需要の不足は、短期的要因もあれば長期的要因もあり、国内の要因もあれば国際的な要因もあると指摘する。中国経済の構造転換・高度化、新旧原動力の転換の過程に伴う痛みだという。
陳氏は内需喚起の方策として、農村の消費供給を充実させ、農村の消費高度化を促進、生産者に農村の消費特性に応じた製品を生産・開発するよう奨励することを提案。さらに県城(中心市街地)を中心に、都市が農村をリードする県域消費ネットワークを構築し、県城の総合的な商業サービス能力と周辺一帯へのけん引力を高める必要があるとした。
中国の消費成長への有識者らの見通しは明るい。楊氏は、中国には14億人を超える広大な市場、1億9千万の事業者、整った産業体系、活発に成長するさまざまな消費シーンがあると指摘。中国人の生活水準が向上を続ける中、消費者はサービスや体験、グリーン(環境配慮型)で低炭素な製品により関心を持つようになり、新たな消費の需要と機会が生まれているとの見方を示した。
趙氏は、中国はより良い生活を求める人々の願いをかなえるため、技術革新と産業高度化の促進を図り、インフラや公共サービスの改善に努めており、投資の成長には巨大な潜在力があると述べた。