嘉祥県の手袋メーカーで、手袋を加工・生産する従業員。(資料写真、嘉祥=新華社記者/朱崢)
【新華社済寧12月3日】中国山東省済寧市嘉祥県にある新高地創新智慧産業パークでは厳しい寒さが続く中、縫製、アイロンがけ、品質検査などの工程を経て、1枚1枚の生地からスキーグローブが生産されている。
パークにある手袋メーカー、嘉祥県立拓手套の楚海紅(そ・かいこう)総経理は「この2年、北京冬季五輪(2022年)が追い風となり、スキーグローブの市場ニーズが高まり続けている」とし、今年は手袋の注文が途絶えることがなく、年間生産額は3千万元(1元=約21円)を超える見込みだと明らかにした。
1980年代末、同県では手袋産業の発展が始まった。現在、同県の手袋製品は60以上の国・地域に輸出されている。県内の手袋生産・加工および関連企業は300社以上、加工業者は1500世帯以上を数え、年間生産量は約8千万組、生産高は25億元に上り、直接雇用者数は2万人を超えている。また、何の変哲もない手袋には数々のハイテク要素が組み込まれ、防寒、スキー、射撃などの専用手袋が次々と開発・改良されている。
手袋の新製品の研究開発に取り組む担当者。(資料写真、嘉祥=新華社記者/朱崢)
山東建華中興手套の陳旭(ちん・きょく)副総経理は「高級品を扱う顧客は手袋の設計に厳密さを求め、これまでは商談からデザイン決定、納品まで2~3カ月を要し、効率が悪かった」と語る。同社は生産プロセスを再構築するため、デジタル3D設計案を採用。顧客の目の前でデザイン見本を提示することで、細部を即座に調整できるようにし、商品開発にかかる期間を2~3週間まで短縮した。
同県商務局の王哲(おう・てつ)副局長は「県内のこれら業界を代表するトップ企業がけん引役となり、業界形態が構造転換と高度化を重ねることで、産業チェーンの中・上流へと躍進している。多くの企業が大学と提携、手袋の新技術についてイノベーション、研究開発に取り組んでおり、新製品200種余りを打ち出し、専利(特許、意匠権、実用新案含む)70件余りを取得している」と述べた。(記者/蕭海川)