【新華社北京10月15日】イギリスのロンドン動物学会と中国の研究者がこのほど行った共同研究で、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで「深刻な危機(CR)」に指定されているチュウゴクオオサンショウウオ属の種が9種あることが新たに確認された。研究成果はオオサンショウウオを絶滅から救う上で重要な意味があり、国際学術誌「Evolutionary Journal of the Linnean Society」に掲載された。
湖南省張家界市の「大鯢科技館」で撮影されたチュウゴクオオサンショウウオ。(張家界=新華社記者/李尕)
中国で一般に「娃娃魚(ワーワーユー)」として知られるチュウゴクオオサンショウウオは、現存する両生類では世界最大で、体長は約1・8メートルにもなる。起源はジュラ紀まで遡ることができ、何百万年もの間その姿が変わっていないことから「生きた化石」とも呼ばれる。
論文によると、チュウゴクオオサンショウウオは以前、中国の中部や南部に分布する単一種であると考えられていたが、遺伝子データを用いた新たな研究により、実際には異なる水系に複数の独特な種が分布することが確認された。外見は似ているが遺伝子的には少なくとも7種に分類され、ほとんどの分類モデルでは9種となっている。
論文著者の1人、ロンドン動物園爬虫(はちゅう)類・両生類館のベンジャミン・タプレー館長は、われわれの研究でチュウゴクオオサンショウウオには九つの異なる種があることが分かったが、科学者により命名されたのは4種だけで、IUCNのレッドリストでCRに指定されたのは2種に過ぎないと説明。その他の種も同様に『絶滅寸前』の基準に達しており、関連の保護法によってこれらの貴重な種を適切に保護するため、緊急の措置が必要になっていると述べた。