中国国慶節連休、データが示した旅行と消費の活況

中国国慶節連休、データが示した旅行と消費の活況

新華社 | 2024-10-10 16:10:16

   【新華社杭州10月10日】中国の国慶節7連休期間が7日に終わった。今年は革命史跡を巡る「紅色観光」ブームが高まったほか、「のんびり型」の観光に人気が集まり、都市部の商業エリアも新たな活気を見せた。

   ▽思いをより深く 紅色観光が大幅増

   新中国の成立75周年を迎えた今年は「中国紅」「生誕75周年」「祖国を祝福」が国慶節連休の頻出ワードとなり、これに伴い、紅色観光も大きく伸びた。

   オンライン旅行大手の携程集団(トリップドットコム)によると、紅色観光を打ち出した観光地では、連休期間中の平均チケット販売数が前年同時期に比べ7割増えた。中でも北京の円明園、中国国家博物館、南京の雨花台、中山陵、丹東(遼寧省)の鴨緑江断橋が人気を集めた。

   電子商取引(EC)大手アリババグループ傘下のオンライン旅行サイト「飛猪(フリギー)」の調べでは、旅行先での漢服(漢民族の伝統衣装)撮影、無形文化遺産の体験、専門性の高い史跡巡りなど伝統文化をテーマにしたツアーも好調だった。

   ▽さらに遠くへ 海外旅行も人気回復

   飛猪が7日に発表した国慶節旅行速報によると、今年は観光消費熱が高まり、比較が可能なデータによる国内の高級ホテル、観光ツアー、レンタカーなどの予約は前年同時期比で大幅増となり、中国の観光消費の強靭(きょうじん)性を示した。

   この強靭(きょうじん)性は世界の観光業にも新たな波及効果をもたらした。飛猪によると、外国や香港・マカオ両特別行政区などへの出境旅行は昨年の力強い回復に続き予約数が約5割増となり、ホテル予約は2019年の1・2倍となった。香港特区や日本、タイ、韓国、マレーシアなど飛行機で4時間圏の地域が人気を集めた。

   携程が同日発表した国慶節観光消費リポートによると、今年の国慶節連休は出境旅行と入境旅行の1日平均予約数がいずれも19年を上回り、過去最高となった。

   中でも四線都市、五線都市と呼ばれる地方都市からの出境旅行が新たな成長点となった。これらの都市の1日当たりの海外旅行予約数は四線都市(地方の中都市)が2倍、五線都市(地方の小都市)が4倍となり、オンライン旅行サイト「去哪児(Qunar)」のビッグデータでも三線都市(地方の主要都市)以下の都市からの出境旅行の予約が4倍近くになった。一方で北京、上海、広州、深圳の一線都市、省都などの二線都市では、より遠い英国や米国、オーストラリアなど12の目的地が出境旅行消費額全体の37%を占めた。

   ▽より上質な体験 「低速充電」型の旅が人気に

   「特種兵式旅遊」(特殊部隊式旅行)と呼ばれ、若者を中心に一時期人気を集めた弾丸旅行をスマートフォンの「急速充電」に例えるなら、今年の国慶節は「先を争わず、急がず、群れず、名所を避ける」という「低速充電」式の観光が見直され、レンタカーでのドライブ、思い立った時点での予約、オフピーク旅行などの新たな消費習慣が急速に広まった。

   携程によると、オフピーク旅行は徐々に「新常態」になりつつある。航空券予約では3割近くが連休に入る前の出発を選び、連休後の最初の週末の出発も9月の同時期に比べ10%増加。一部の地域の旅行予約は国慶節連休中とほぼ同水準になった。大型連休の旅行は、より快適な旅行体験を求めて連休前後への分散が進んだ。

   のんびりとリゾート気分を楽しむクルーズ旅行、プライバシーと自由度の高さが売りのレンタカーでのドライブ旅行などが大きく伸び、飛猪では国内レンタカー予約が4割超増、国際クルーズも1カ月前の予約が19年比の2・3倍を超えた。出境旅行では心地よさが魅力の離島リゾートが最も人気の高い過ごし方の一つとなった。(記者/鄭可意、張璇、段菁菁)

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