【新華社北京10月5日】中国浙江省森林資源モニタリングセンターは、上海海洋大学の楊金権(よう・きんけん)教授の研究チームと共同で新種の中国固有種「虹彩馬口魚」(Opsariichthys iridescens)を発見し、研究成果を1日、国際学術誌Zookeysに発表した。
論文の筆頭著者で、同センター生物多様性監測所の技術者、周佳俊(しゅう・かしゅん)氏によると、虹彩馬口魚は華東地域の渓流に生息する色彩鮮やかな小型魚で、近年の渓流釣りや在来種観賞魚の流行により既に人との接触があるが、科学的研究が不十分だったため、同一地域や近隣地域に生息するヒレナガオイカワなどと混同されてきた。
虹彩馬口魚。(北京=新華社配信)
国内で生物多様性資源の保護が強化される中、研究チームは浙江省杭州市臨安区の野生動物資源背景調査・研究プロジェクトを通じ、オイカワ属とハス属の標本を大量に採集して形態学と分子生物学の詳細研究を実施。新種は既知のハス属に比べて遺伝的分化程度が非常に高いことが分かり、形態学的分析も踏まえ新種であることを確認した。雄の婚姻色が鮮やかな色彩を持つことから「虹彩馬口魚」と命名した。
その後の調査では、虹彩馬口魚が主に浙江省を流れる銭塘江(せんとうこう)の中・上流域に分布し、同省の瓯江(おうこう)上流や江西省の鄱陽湖(はようこ)源流域の水質が良い渓流にも少量分布することも分かった。
虹彩馬口魚。(北京=新華社配信)
楊教授は、虹彩馬口魚のような渓流魚は生態環境や水質などへの要求が高く、水環境の健全性を示す指標種だと語った。