広西チワン族自治区でクスノキの新種「靖西楠」を発見

広西チワン族自治区でクスノキの新種「靖西楠」を発見

新華社 | 2024-09-30 16:40:34

広西チワン族自治区で発見された靖西楠。(南寧=新華社配信)

  【新華社南寧9月30日】中国広西チワン族自治区林業局は、同自治区林業科学研究院の研究チームが中越国境に接する靖西市と那坡県で、クスノキ科クスノキ属の新種を発見したと明らかにした。中国の固有種で「靖西楠(Phoebe jingxiensis J.Y.Lin & R.H.Jiang)」と命名。植物分類分野の国際学術誌「Phytotaxa」に発表した。

  研究チームは、2019~22年に自治区と海南、湖南両省などでクスノキ属の遺伝資源を収集した際、従来は主に海南省に分布する崖楠(Phoebeyaiensis S. Lee)とされていた同自治区百色市一帯の個体群に果実や葉などの形態的差異があり、開花や結実の時期も異なることを発見。特徴比較や標本調査、文献調査、遺伝子配列解析により新種と判断し、模式産地にちなみ「靖西」の名を付けた。

靖西楠の解剖図。(南寧=新華社配信)

  追跡調査の結果、靖西楠は靖西市と那坡県に位置する標高680~1150メートルのカルスト山地の森林に生育することが判明。個体群の天然更新は良好で、個体数も比較的多かった。同種の木材は硬度が高く、自治区南西部の岩山地帯で貴重となる用材林の植林や石漠化(表土流出による岩石の露出)対策にも適しているという。

  研究チームの責任者によると、靖西楠の発見は崖楠に対する人々の認識を改めたほか、クスノキの遺伝育種と資源保護を進める上でも大きな意義を持つ。チームは現在、靖西楠の苗木2千本余りを栽培している。

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