4億3600万年前の新種魚類「双叉苗家魚」を発見 重慶市

4億3600万年前の新種魚類「双叉苗家魚」を発見 重慶市

新華社 | 2024-09-26 14:08:07

双叉苗家魚の生態復元図。(重慶=新華社配信)

  【新華社重慶9月26日】中国重慶市規画・自然資源局は、中国科学院古脊椎動物・古人類研究所と共同で実施した重慶特異埋蔵化石群(化石鉱脈)の新種魚類化石研究で、約4億3600万年前の新たな無顎類(むがくるい)魚類「双叉苗家魚」を発見したと明らかにした。2022年の「浜海涌洞魚」に次ぐ新たな無顎類の発見で、研究成果は中国の学術誌「古脊椎動物学報」電子版に掲載された。

  化石発見者の1人で、重慶地質鉱産研究院の正高級工程師(上級技術者)、陳陽(ちん・よう)博士によると、研究チームは高分解能CT(HRCT)、詳細な3D再構成などの手法を用いて化石から多くの貴重な解剖学的情報を取得。双叉苗家魚が甲冑魚類の一種のエウガレアスピス目に属し、これまでに発見された霊動土家魚と密接な関係があることを突き止めた。系統発生分析により双叉苗家魚と霊動土家魚はいずれも単系統群を構成することも明らかになり「土家魚科」と命名した。土家魚科は約4億3600万年前に絶滅しており「涌洞魚科」に続き同市で命名された2番目の科階級群の古生物となった。

双叉苗家魚の側線と腹面両側の一対の鰭褶を示す図。(重慶=新華社配信)

  双叉苗家魚の化石には、頭甲につながる部分と腹面両側の一対の鰭褶(きしゅう=膜状のひれ)が保存されており、鰭褶は脊椎動物が陸上に進出した際に四肢に進化したと考えられている。

  重慶特異埋蔵化石群は22年に同局と中国科学院院士(アカデミー会員)朱敏(しゅ・びん)氏のチームが同市秀山トゥチャ族ミャオ族自治県で発見。化石群にはシルル紀初期の魚類化石が大量に保存され、顎口類(がっこうるい)魚類の化石記録を1100万年さかのぼらせたほか、ヒトの幾つかの身体構造の起源を4億3600万年前の魚類化石に見い出した。論文が国際学術誌ネイチャーの巻頭論文として掲載されると、国際学界で広く注目された。

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