テレビショッピングが切り開くアフリカのメディア新時代

　ゴールデンマンゴーＴＶチャンネルの番組「アフリカショッピング」で商品を紹介する司会者。（６月撮影、アクラ＝新華社配信）

　 【新華社長沙９月４日】西アフリカ・ガーナに住むアーネストさん（７８）の自宅にこのほど、５０インチのハイビジョンスマートテレビがやって来た。中国のテレビ局と地元テレビ局が立ち上げた「ゴールデンマンゴーＴＶチャンネル」の番組「アフリカショッピング」を見て、わざわざ村から放送局に出向いて購入したという。

　 「番組はいつも見ていて、コストパフォーマンスの高い製品を知ることができる。信頼しているので買い物をしてもいいと思っている」とアーネストさんは語った。

　 同チャンネルは、湖南広播電視台国際チャンネルと西アフリカゴールデンデジタルＴＶが運営する西アフリカ初の中国要素をメインにした英語の総合チャンネルで、２０２３年６月３０日の開局以来、英語に翻訳した中国のドラマやドキュメンタリー、バラエティー、アニメを１８００時間以上放送している。

１日、アーネストさんの自宅に届いた５０インチのハイビジョンスマートテレビ。（アクラ＝新華社配信）

　 ゴールデンマンゴーＴＶチャンネルは西アフリカで５億人が受信可能で、ガーナ国内では衛星利用者が２００万世帯、セットトップボックス（ＳＴＢ）利用者が５０万世帯となっている。同国の主要１２チャンネルのゴールデンタイム視聴率調査では、番組占拠率が最高で３５％に達した。

　 湖南広播電視台国際チャンネルの万韶光（ばん・しょうこう）副総監によると、ガーナではバラエティー番組「歌手２０２４」「再見愛人」、アニメ「奇奇和努娜」「氷球旋風」などの中国番組の人気が高く、「中国農場」を見て種子や設備を購入したいと放送局に電話をかけてきた人もいるという。

　 同チャンネルは、２０２３年に湖南省長沙市で第３回中国・アフリカ経済貿易博覧会が開かれたのを機に「アフリカショッピング」など中国・アフリカ間の文化や経済・貿易に関する番組を複数開設。中国の文化・観光資源、文化製品、良質な商品をプロモーションし、中国とアフリカの経済・貿易・文化協力のプラットフォームとなっている。

テレビショッピング番組のポストプロダクション作業にあたるスタッフ。（６月撮影、アクラ＝新華社配信）

　 「アフリカショッピング」は２３年１１月２０日に正式にスタートし、毎日午前１０時、正午、午後５時、７時の４回、各２０分間放送している。

　 １４億の人口を擁するアフリカ大陸では現在、テレビショッピングが新たな商機となっている。３月２９日にはゴールデンマンゴーＴＶチャンネルとガーナの電子商取引（ＥＣ）プラットフォーム「Ｔｏｓｐｉｎｏｍａｌｌ」が首都アクラで戦略的緊密協力協定を締結。ＥＣプラットフォームとテレビショッピングの融合、サプライチェーン・物流配送協力、ブランドプロモーションとマーケティングの連動、プロジェクトの共同誘致・プロモーション、アフリカ地元企業ブランドの育成などで協力するとしている。（記者／鞠銀河、張玉潔）