三星堆遺跡、3千年前の青銅神樹をAI技術でデジタル再生

三星堆遺跡、3千年前の青銅神樹をAI技術でデジタル再生

新華社 | 2024-07-25 15:32:56

22日、三星堆博物館新館で展示されている2号青銅神樹の台座の複製品。(広漢=新華社記者/唐文豪)

  【新華社広漢7月25日】中国四川省広漢市の三星堆博物館で23日、「三星堆遺跡新出土文物の保護修復成果展」が始まった。会場では出土品の中でも注目を集める2号青銅神樹が人工知能(AI)でデジタル再生され、3千年余りの時を経て人々の前に姿を現した。

  大型のデジタルスクリーンでは、デジタル処理された青銅の破片30点余りが星空を背景に徐々に組み合わされ、最後には高さ2・88メートルの青銅神樹となる様子を見ることができた。デジタルによる文化財の復元は文化財保護修復分野でのAI技術の潜在性を示すとともに、来場者に新たな視覚体験をもたらした。

22日、三星堆博物館新館で展示されている2号青銅神樹の台座の複製品。(広漢=新華社記者/唐文豪)

  2号青銅神樹は台座に主幹が据えられ、主幹の上方は3本の幹に分かれている。それぞれの幹は上から下へ外向きに3本の枝を伸ばし、神樹の頂部は花が咲き、実がなり、青銅の鳥が立っている。

  同館の余健(よ・けん)副館長・文物保管部部長によると、2号青銅神樹の研究は1986年の発掘調査で台座と主幹、枝が見つかったことから始まり、ここ数年で祭祀(さいし)坑から破片が大量に出土したことで復元が可能になった。

22日、三星堆博物館新館で展示されている2号青銅神樹の台座の複製品。(広漢=新華社記者/唐文豪)

  2号青銅神樹の復元については、考古学者や文化財保護修復の専門家が「物理的な補強は難度が高く、時間もかかり、本体を破損させる恐れもある」と指摘したことから、デジタル技術を用いてバーチャル修復する方法が取られた。

  3次元スキャンされた神樹の破片30点余りには、出土した祭祀坑や断裂面の接合度、接合の様子など詳細情報が表示されている。

22日、三星堆博物館新館で展示されている2号青銅神樹の枝。(広漢=新華社記者/唐文豪)

  余氏は「デジタル陳列を通じて来場者に文化財の最も原始的な状態を見てもらいたい」と説明。デジタル陳列は実物の接合・修復と異なり、神樹の各破片の出土情報を可能な限り多く示すことができ、各界の人々に文化財に対する認識や研究を異なる角度から深めてもらえると語った。

  三星堆遺跡は、同時期の長江流域文化の中で内容が最も充実し、面積も最大の都市遺跡。新たな発掘プロジェクトではこれまでに遺物1万7千点余りが出土し、この1年だけでも4千点余りを発掘、保護している。(記者/童芳、康錦謙)

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