バドミントンシャトルの世界的な生産地を訪ねて 中国貴州省

バドミントンシャトルの世界的な生産地を訪ねて 中国貴州省

新華社 | 2024-07-25 15:46:57

   16日、バドミントンシャトルの機械生産を補助する従業員。(貴陽=新華社記者/向定傑)

   【新華社貴陽7月25日】中国貴州省黔東南(けんとうなん)ミャオ族トン族自治州の錦屏県は、バドミントンのシャトル生産で世界シェア1割強を占める。シャトルの価格高騰や品薄状態がネットを中心にたびたび話題になる中、現地では急ピッチで生産を進めている。

   少数民族ミャオ族とトン族の居住地域である同県はかつて国家級の貧困県だったが、2017年に世界的なシャトル専門メーカー、RSLを誘致してシャトル産業が立ち上がった。ガチョウの羽根を使用した天然素材のシャトルを生産する。

   同年に設立された貴州亜獅竜(RSL)体育文化産業発展の工場は、敷地面積153ムー(約10・2ヘクタール)。投資額は2億4800万元(1元=約22円)で、500人余りの雇用を創出した。昨年の生産額は3億4千万元、シャトル生産量は約400万ダース、輸出額は約900万ドル(1ドル=約157円)。毎日1万ダース、10万個を超えるシャトルが60余りの国・地域に出荷されている。

   生産部門を率いる胡兵(こ・へい)氏は「世界で使われているシャトルのおよそ10個に1個はわが社で生産している」と説明。現在は需要に供給が追いつかず、フル回転で生産していると話した。今年は1~6月の生産量が230万ダース余り、生産額は1億8500万元で、輸出は前年同期比で40%前後増えたという。

   胡氏によると、健康のために体を動かす人が増えたことが需要増につながった。一方、シャトルの価格高騰の背景には、原材料の不足と価格上昇がある。一つのシャトルを作るのに16枚の羽根が必要だが、1羽のガチョウから取れる羽根は14枚のみ。工場を24時間フル稼働させるなら、1日に20万羽のガチョウが必要になる。

   隣接するスポーツ用品メーカー、貴州大桐利体育用品も同様に生産に追われている。責任者の張偉平(ちょう・いへい)氏によると、新工場を建設して生産能力を2倍に増やしたばかり。現在は従業員91人が毎日、4500ダースを生産している。「わが社は主に高級シャトルを作っている。新生産ラインでは新しい材料や工程、技術を取り入れたことで品質が向上し、価格も高めになった」と語った。製品の8割は輸出用で、主にマレーシアや英国に出荷しているという。

   市場ではガチョウの羽根を使った天然シャトルに代わり、ナイロン製やプラスチック製の人工シャトルが売り上げを伸ばしている。業界関係者は「人工シャトルにも良いものはあるが、天然シャトルに比べると品質面でまだ一定の差がある」と指摘。人工シャトルが安価な代替品になるかは、もう少し様子を見る必要があるとの見方を示した。(記者/向定傑、周宣妮)

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   16日、バドミントンシャトルの生産現場。(貴陽=新華社記者/向定傑)

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   16日、倉庫内に積まれたシャトル用の羽根。(貴陽=新華社記者/向定傑)

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   16日、出荷待ちの完成品を運ぶ従業員。(貴陽=新華社記者/向定傑)

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