エアバスの天津アジア最終組立工場、A320型機700機目を納機

エアバスの天津アジア最終組立工場、A320型機700機目を納機

新華社 | 2024-07-16 07:31:03

8日、成都航空に納機されたA320型機。(天津=新華社記者/李然)

 【新華社天津7月16日】欧州航空機大手エアバスが中国天津市に構えるアジア最終組立工場(FAL Asia)で8日、700機目のA320型機が航空会社の成都航空に納機された。

 引き渡されたのは、座席数180席の「A320neo型機」。成都航空の王書石(おう・しょせき)総経理によると、同社はエアバス機を50機運用しているという。

 同じ敷地内にあるエアバス(天津)デリバリーセンターのゼネラル・マネージャー、クリストフ・シュレンプ氏は、今回の納機により、中国のA320型機の少なくとも3分の1が天津から引き渡されたとし、「エアバスの中国航空市場と中国での継続的な事業展開に対する確固としたコミットメントを示す」と述べた。

 アジア最終組立工場は、エアバスが欧州外で初めて立ち上げた民用機の生産ラインである。2008年の稼働から15年以上が経ち、中国・欧州協力のモデルとなっている。同工場は09年にA320型機の1号機、20年10月末に500機目を引き渡しており、それから4年未満で700機目の納機を実現した。

 エアバスのグローバル執行副総裁でエアバス中国の最高経営責任者(CEO)の徐崗(じょ・こう)氏は「この数字は、エアバスと中国航空産業の長期的な深いパートナーシップを示している」と説明。エアバスは長年にわたって中国事業を拡大し、サプライチェーン(供給網)の垂直統合に取り組み、航空機にますます多くの中国製品を取り入れていると述べた。例えば、翼は航空機部品メーカーの中航西安飛機工業集団が、ナローボディー機向け客室ドアは航空機大手、中国航空工業集団(AVIC)傘下の中航成飛民用飛機がそれぞれ供給しているとした。「中国は単一の国でエアバス最大の市場である」と指摘。中国顧客向けの年間納機数はエアバス全体の約20%を占め、中国市場におけるエアバス機の割合も08年の約20%から50%超に上昇したと説明した。

 中国を軸に、世界へ飛び立つ。中国で組み立てられた航空機はここ数年、ハンガリー・ウィズエアー、フィリピン・セブパシフィック航空など、海外の航空会社に引き渡されている。中国の安定した航空産業エコシステムは、エアバスが世界航空業の発展に寄与する力を与えている。

 徐氏は「中国の航空市場は成長性が非常に大きく、今後も重要な地位を占めると確信している。私たちはこの戦略的市場を捉えておく必要がある」と強調した。エアバスは現在、天津に2本目の最終組立ラインを建設中で、26年初めに稼働する計画という。稼働すると、世界で保有するA320型機の最終組立ライン10本のうち、2本は天津にあることになる。

 エアバスは、中国の今後20年の航空旅客輸送数の年平均成長率が5・3%に達し、世界の3・6%を上回ると見込む。また、42年までの世界の新造機需要4万機超のうち、9千機以上は中国に納機されるとした。

 徐氏は「エアバスは引き続き中国の協力パートナーと手を携えて前進し、中国民間航空の質の高い発展に貢献し、中国・欧州間の交流と協力に役立ちたい」との意気込みを示した。

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