第3世代放射光施設のアップグレード工事が検収合格 上海光源

第3世代放射光施設のアップグレード工事が検収合格 上海光源

新華社 | 2024-05-23 16:32:11

   【新華社北京5月23日】中国科学院は、国家重大科学技術インフラ建設プロジェクトである上海光源(SSRF、Shanghai Synchrotron Radiation Facility)のビームラインアップグレードプロジェクトが15日、国の検収に合格したと明らかにした。アップグレード工事は2016年11月に着工、23年7月に竣工した。正式稼働後はSSRFの実験研究能力が飛躍的に向上する。

   14日、上海光源の外景。(上海=新華社記者/方喆)

   中国科学院上海高等研究院の邰仁忠(たい・じんちゅう)副院長によると、SSRFは中国大陸初の第3世代放射光施設で、09年5月から一般ユーザーへの公開が始まった。SSRFは「スーパー顕微鏡」のようなもので、高品質なシンクロトロン放射光を利用してミクロの世界を「見極め」、物質の微細構造の生成や変化のメカニズムを解明することができる。

   SSRFは主に円環状のシンクロトロン加速器とそれぞれ特色のある複数のビームラインで構成される。今回のアップグレード工事では、SSRFの既存設備に加えて先進的な性能のビームライン16本の新設、シンクロトロン光源の性能の拡張、ユーザー支援ラボやユーザーデータセンターなどの設置を通じて、生命科学、材料科学、化学工業触媒など多くの学問分野の研究開発を強力に支援する。

   邰副院長はアップグレードされたSSRFについて、実験能力が大幅に向上したと指摘。空間分解能は30ナノメートル以下、時間分解能は60ピコ秒(1兆分の1秒)に達したとともに、全方位、超高感度の分析能力を備えていることから、極端な条件下や特殊な試料の分析ニーズにも対応できると紹介した。

   14日、上海光源の内部。(上海=新華社記者/方喆)

   14日、上海光源の動力学研究ビームライン。(上海=新華社記者/方喆)

   14日、上海光源の小角散乱ビームラインを紹介する研究者。(上海=新華社記者/方喆)


   14日、上海光源の内部。(上海=新華社記者/方喆)

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