広州市のスーパーマーケットでチェリーを並べる従業員。(1月22日撮影、広州=新華社配信)
【新華社広州2月18日】中国各地でここ数年、チェリーが春節(旧正月)の定番果物となり、好調な売れ行きを見せている。
広東省広州市では1月に入り、チェリーの販売がピークを迎えた。市内で青果卸売市場を運営する広州江南果菜批発市場経営管理の管志強(かん・しきょう)副総経理によると、価格は手頃で供給も安定している。
北京市内のスーパーマーケット「物美」には、輸入チェリーを買い求める客がひっきりなしにやってくる。市民の王(おう)さんは「チェリーは小さくて食べやすい上、赤い色もめでたい。春節の新たな定番果物と呼ぶにふさわしい」と話した。
インターネット通販でもチェリーの販売量が大幅に増えている。今年の年越し用品の販促イベントでは、電子商取引(EC)大手の拼多多(ピンドゥオドゥオ)で前年同期比約30%増加。人気ショップの1日当たりの注文件数が5千件を超えた。ネットスーパー「盒馬鮮生(フーマーフレッシュ)」で輸入果物の仕入れを担当する王睿舒(おう・えいじょ)さんによると、チリ産チェリーの販売量がここ数年、毎年20%以上増加。今年はオーストラリア産とニュージーランド産の販売も始めた。
チェリーの主要な供給元であるチリはこの7年、対中輸出量が年平均約29%増えている。中国最大のチェリー輸入港の一つ、南沙港を管轄する広州税関によると、2023~24年シーズンに広州の南沙口岸(通関地)が受け入れたチリ産チェリーの貨物船は9隻、輸入量は計10万トンを超えた。全国に占める割合は約3割に上るという。
中国の農産物の輸入額は現在、世界1位を占める。中国の税関は昨年、国内の多様化する消費需要に応えるため、51カ国・地域の146種類の良質な農産物の輸入を許可した。
経済の回復に伴い、輸入果物全体の需要が高まっている。北京の新発地農産品卸売市場で輸入果物を扱う趙新文(ちょう・しんぶん)さんは「ブルーベリー、マンゴー、パラミツなども人気で、春節に合わせて仕入れを増やした」と話した。(記者/丁楽、吉寧、張璇)pagebreak
チリから輸入されたチェリーを確認する広州市の南沙税関の職員。(2023年12月21日撮影、広州=新華社配信)pagebreak
北京の新発地農産品卸売市場に積み上げられた輸入チェリー。(資料写真、北京=新華社配信)