【新華社重慶11月27日】中国重慶市は今年、新エネルギー車(NEV)産業の発展が好調で、第1~3四半期(1~9月)の新エネ車産業の増加値(付加価値額)は前年同期比10・2%増、新エネ車生産台数は4・9%増の24万9700台に上り、通年の生産台数は37・0%増の50万台に達する見込みという。
重慶は中国の重要な化石燃料車の生産拠点であるが、ここ数年は、1兆元(1元=約21円)規模のインテリジェント・コネクテッド・ビークル(ICV)・新エネ車の産業クラスターを構築する目標のもと、新エネ完成車メーカー16社が集積し、純電気自動車(BEV)やプラグインハイブリッド車(PHV)、航続距離延長型車、水素燃料車、電池交換型車など、多様な技術路線が全面的に展開されている。多くの新興ブランドが急速に台頭し、ミドルレンジ・ハイエンドの新エネ車が続々と発表されて人気を集め、産業クラスターの発展を強力に支えている。

阿維塔科技(アバター・テクノロジー)の新車種。(資料写真、重慶=新華社配信)
重慶を拠点とするメーカーの多くが相次ぎ新モデルを発表、市場の注目を集めている。新エネ車を手掛ける阿維塔科技(アバター・テクノロジー)は今月、高級クーペ「阿維塔12」を発表した。同車種は、通信機器大手・華為技術(ファーウェイ)の運転支援システム「Huawei ADS 2・0」と独自の車載基本ソフト(OS)「鴻蒙(Harmony)OS 4」を搭載、高いスマートレベルを備え、受注台数はすでに1万5千台を超えた。
重慶長安汽車傘下の新エネ車ブランド「長安啓源」もPHVの新車種をリリースしている。長安汽車の関係責任者は「過去5年の研究開発費は600億元を超え、多くのスマート低炭素関連技術を獲得した。今年1~10月の自主ブランド新エネ車販売台数は前年同期比96・0%増となった」と紹介した。
さらに、重慶はここ数年、公共充電施設などの整備を続け、「充電が難しく、充電に時間がかかる」問題の解決に力を入れ、新エネ車の消費を支えた。
同市経済・情報化委員会の関係責任者は「重慶は今、完成車の研究開発・生産、中核部品の提供、応用シーンの創出、充電・電池交換インフラの建設など多くの面に取り組み、1兆元規模のICV・新エネ車産業クラスターの構築を進めている」と説明した。