正倉院の宝物、過去から未来につなげる中日文化交流の絆

正倉院の宝物、過去から未来につなげる中日文化交流の絆

新華社 | 2023-11-07 09:57:20

1日、正倉院展で記念撮影する南京大学繆斯基金の訪日文化交流団。(奈良=新華社記者/姜俏梅)

   【新華社奈良11月7日】奈良国立博物館(奈良市)で10月28日から、第75回正倉院が開かれている。

   今回は日用器物や楽器、服飾、仏具、文書などの宝物59点を展示。唐代の中国から伝来した銅鏡「平螺鈿背円鏡(へいらでんはいのえんきょう)」、聖武天皇の遺愛品「九条刺納樹皮色袈裟(くじょうしのうじゅひしょくのけさ)」、「楓蘇芳染螺鈿槽琵琶(かえですおうぞめらでんのそうのびわ)」(螺鈿飾りの四絃琵琶)など6点が初公開された。

1日、南京大学繆斯基金の訪日文化交流団が奈良市内で開いたイベントで、来賓と記念撮影する交流団のメンバー。(奈良=新華社記者/姜俏梅)

   正倉院宝物の多くは中国の唐宋時代の至宝で、当時の芸術に対する造詣の深さと技術水準の高さを示すとともに、中日両国の文化交流の証しになっている。

   南京大学(江蘇省)の文化芸術財団「繆斯(ミューズ)基金」は、中日平和友好条約締結45周年の年に開催される正倉院展に、在校生を中心とする第3回「唐宋の芸術をたどる」文化交流団を日本に派遣した。

1日、南京大学繆斯基金の訪日文化交流団が奈良市内で開いたイベントで、南京大学の学生や在日留学生との文化財に関する質疑応答に臨む大阪市立美術館の内藤栄館長。(奈良=新華社記者/姜俏梅)

   同展を見学した南京大学芸術学院の学生王琰(おう・えん)さんは「唐代の美しい宝物を間近に見て、中華の優れた伝統文化の長い歴史と奥深さを感じた。伝統文化の研究と中日の文化交流が一層深まることを願っている」と語った。

1日、南京大学繆斯基金の訪日文化交流団が奈良市内で開いたイベントにビデオメッセージを寄せた鳩山由紀夫元首相。(奈良=新華社記者/姜俏梅)

   交流団が奈良で開いた交流イベントであいさつした同基金の創設者、申路(しん・ろ)氏は今回の訪日について、正倉院展で中日友好の歴史を理解することで、両国の若者に中日友好に努めた先人に学び、両国の友情を受け継ぎ、深めていくよう促すのが目的と語った。

1日、南京大学繆斯基金の訪日文化交流団が奈良市内で開いたイベントで、正倉院宝物の説明をする大阪市立美術館の内藤栄館長。(奈良=新華社記者/姜俏梅)

   イベントにビデオメッセージを寄せた鳩山由紀夫元首相は、奈良時代に建立された東大寺は中国と深いつながりがあると紹介。中国の学生が奈良で両国の友好と将来の交流を探求することはとても意義深いと述べた。

1日、東大寺大仏殿で、南京大学繆斯基金の訪日文化交流団に解説をする大阪市立美術館の内藤栄館長。(奈良=新華社記者/姜俏梅)

   奈良国立博物館で26年間にわたり正倉院展を担当し、今年4月に大阪市立美術館の館長に就任した内藤栄氏は新華社の取材に対し「中日交流の歴史を振り返ると、両国が常に影響し合ってきたことが分かる。政治や経済の交流に比べ、文化の交流は最も心と心をつなぐことができる。中国の人々に奈良で正倉院展や東大寺を訪れ、日本文化を知るとともに中国から受けた影響を理解し、両国の長い文化交流の歴史を実感してもらいたい」と語った。(記者/姜俏梅)

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