【新華社北京10月4日】英大手会計事務所のプライスウォーターハウスクーパース(PwC)はこのほど、「2023年上半期(1~6月)の中国自動車業界M&A(合併・買収)活動回顧・動向展望」を発表し、中国自動車業界の1~6月のM&A件数は343件、取引額は1275億元(1元=約20円)余りで、いずれも前年同期を下回ったと明らかにした。完成車製造部門の取引額はやや拡大したが、部品部門とアフターマーケット部門はいずれも著しく下がった。
100億元以上の超大型取引の金額は22年下半期(7~12月)比で36%減少した。取引件数を地域別に見ると、珠江デルタ地域と長江デルタ地域の産業面の優位性や人材・技術の集中度、先行者利益により、広東省、上海市、江蘇省、浙江省の投資が活発で、いずれも30件以上の取引が行われた。
部門別では、自動車部品の取引件数が259件と前年同期比で大幅に落ち込んだ。完成車製造分野の取引は政策支援、供給改善、需要向上に支えられた新エネルギー車(NEV)のファンダメンタルズの改善で引き続き持ち直し、取引金額は22年下半期から増加を実現した。アフターマーケットの取引は金額・件数とも前年同期に及ばないものの、自動車金融サービスの取引額はやや拡大した。電動化、自動運転、コックピットスマート化の進展につれ、アフターマーケットでは製品のイノベーション、サービスモデルの充実と派生が進んでおり、今後さらに大きく成長する見通しで、また大型取引が生まれる可能性がある。
PwCは、新エネ車支援政策の強化や中小都市・農村市場の急速な開拓が完成車と部品産業チェーンにさらなる利益をもたらすと見込んでおり、新エネ車産業のファンダメンタルズにまだ成長の余地があるとの見解を示した。