【新華社重慶6月30日】中国重慶市のドリアン愛好家、康麗麗(こう・れいれい)さんはほくほく顔をしている。4月に1キロ100元(1元=約20円)だったドリアンの値段が6月には40元台にまで下がった。「好きなだけドリアンが食べられる日は近い」と喜ぶ。
価格が下落したのは、東南アジア産のドリアンが集中的な収穫と出荷の時期に入ったためであるほか、物流の円滑化が進んでいるためでもある。「一帯一路」構想提出後、中国と沿線諸国の間には国際物流の新ルートが相次ぎ構築され、東南アジア産ドリアンを含む各国の特産品が中国西部地域に入りやすくなっている。
重慶では最近も、中国・ラオス・タイをつなぐコールドチェーン(低温輸送)テスト列車で約500トンのタイ産ドリアンが到着し、国内の各地へと送られた。中国西部地域と東南アジア諸国を結ぶ物流ルート「西部陸海新ルート」の直通鉄道でタイ産ドリアンが重慶に運ばれたのは初めて。輸入元の重慶洪九果品の鄧浩吉(とう・こうきつ)最高執行責任者(COO)は、タイから重慶に届くまで4日しかかからなかったと手応えを語る。今年は西部陸海新ルートでドリアンを何度も輸入してきた。よりスピーディーな国内市場での販売が可能になったことで輸入量は増加している。物流にかかる時間やコストがこれまでの輸入方式に比べ半分以下になり、消費者へのメリットも大きいと語る。
西部陸海新ルートは重慶市を運営センター、西部の各省・自治区・直轄市を重要な結節点とし、鉄道、海運、道路の複数の輸送手段を利用し世界各地へとつながる。目的地は119カ国・地域の339港湾に広がっている。
新たな物流ルートの恩恵を受けているのはドリアンだけではない。タイのドラゴンフルーツやインドネシアのコピ・ルアク(ジャコウネココーヒー)、ラオスのビール、ベトナムのバサ(白身魚)など東南アジアの特産品も西部陸海新ルートでより迅速に中国市場に出回るようになっている。
中国税関総署によると、今年1~5月の「一帯一路」沿線諸国との貿易額は前年同期比13・2%増の5兆7800億元で、輸出は21・6%増の3兆4400億元、輸入は2・7%増の2兆3400億元だった。「一帯一路」構想はすでに世界の4分の3以上の国の参加を引き付け、共同建設国に42万人分の雇用を創出、多くの国の経済発展加速を後押しし、グローバル公共財と国際協力プラットフォームとして高い評価を得ている。