甘粛省、省内初の人工心臓移植に成功

   １３日、退院時に記念撮影する人工心臓移植を受けた患者と蘭州大学第１医院の医療スタッフ。（蘭州＝新華社配信）

   【新華社蘭州６月１９日】中国甘粛省蘭州市の蘭州大学第１医院でこのほど、国産の磁気浮上型人工心臓の移植を受けた女性が退院した。同省では人工心臓移植手術の初の成功例となった。

　 女性は１カ月前に同院心血管内科の集中治療室に転院し、拡張型心筋症、末期心不全と診断されたが、ドナー不足により移植手術を受けることができなかった。

　 同院は複数の診療科の専門家による診察と討論を経て、もう一つの治療法として植え込み型左室補助人工心臓を提案した。同方法は心臓摘出ではなく人工心臓を体内に植え込むことで、左心室の機能を代替させることができる。

　 手術は５月２２日早朝に実施。４時間かけて人工心臓の植え込みに成功した。患者は手術当日に人工呼吸器が外れ、３日目にはベッドを下りて自由に行動できるようになった。人工心臓の補助により左心室が徐々に機能を取り戻し、６月１３日に退院した。

　 同院心血管外科の宋兵（そう・へい）主任は、手術で使用した国産第３世代の磁気浮上型人工心臓は体積が小さく、流量も多く、移植しやすいなどの長所を持つと説明。人工心臓は末期や重度の心不全患者に適しており、心臓移植に代わる有効な治療手段になりつつあると語った。（記者／任延昕）pagebreak

   人工心臓の模式図。（資料写真、蘭州＝新華社配信）