大型CCUSモデルプロジェクトが着工 寧夏回族自治区

大型CCUSモデルプロジェクトが着工 寧夏回族自治区

新華社 | 2023-05-25 10:20:25

   19日、300万トンCCUSモデルプロジェクトの起工式。(銀川=新華社配信)

   【新華社銀川5月25日】中国寧夏回族自治区にある国内有数の化学工業パーク、寧東能源(エネルギー)化工基地で19日、総投資額約102億元(1元=約20円)の300万トン二酸化炭素回収・有効利用・貯留(CCUS)モデルプロジェクトが全面着工した。

  プロジェクトはエネルギー大手の国家能源集団が運営する400万トン石炭液化プラントから排出される高濃度二酸化炭素を供給源とし、中国石油天然気集団(CNPC)傘下の中国石油長慶油田の石油掘削と深く結合させることで、石炭化学工業と大型油田掘削間のグリーン(環境配慮型)低炭素協力を行う。

  寧東エネルギー化工基地は中国の重要なエネルギー化工基地で、現代的な石炭化工プロジェクトが集中し、二酸化炭素の排出量が大きい。基地はオルドス盆地の西縁に位置する。この地域はまた良好な二酸化炭素貯留条件を備えており、その貯留能力は100億トン以上に達する。

   300万トンCCUS実証プロジェクトは「寧東基地炭素供給源回収施設」と「長慶油区(寧夏)フラッディング・貯留施設」の二つの部分から成り、年産400万トン石炭液化プロジェクトで排出される二酸化炭素ガスを回収した後、長慶油田がフラッディングと貯留を行う。プロジェクトは完成後、炭素の回収・利用・貯留という全産業チェーンの実証プロジェクトとなる。

  このプロジェクトには300万トン二酸化炭素回収施設、300万トン二酸化炭素長距離輸送パイプライン、250万トン二酸化炭素フラッディング補強採油施設、50万トン二酸化炭素回収・貯蔵施設が含まれている。そのうち、第14次5カ年規画(2021~25年)では2期に分けて100万トンCCUSと長さ130キロの炭素供給源パイプラインを完成させる予定。第15次5カ年規画期(2026~30年)には300万トン規模が完成し、1・7億トンの地質埋蔵量をカバーする。フル稼働すると、累計で7450万トンの二酸化炭素を注入し、1700万トン以上の石油を増産することができる。

   寧東エネルギー化工基地管理委員会の馬成(ば・せい)2級巡視員は次のように語る。このプロジェクトは現代的石炭化工産業のために「高炭素」問題を解決する「ゴールドキー」を見つけ出し、また、原油採掘のためにグリーン増産の「秘密兵器」を探し当てた。このプロジェクトは完成後、中国が大規模なCCUSプロジェクト建設を進め、末端での炭素削減を実現するための複製・普及可能な市場化された実践経験を提供するとみられる。(記者/于瑶)pagebreak

   19日、300万トンCCUSモデルプロジェクトの起工式。(銀川=新華社配信)

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