【新華社バンコク5月8日】タイ中央銀行(BOT)のピティ総裁補はこのほど、新華社の単独インタビューに応じ、中国経済は力強く回復しており、地域の発展と世界の景気回復を支える安定器と動力源になっているとの見方を示した。
ピティ氏は、先進国の経済成長が減速している影響で、今年は世界全体の経済成長率が大幅に落ち込むと予想した。ただ、アジア経済は安定を維持し、世界で最も経済成長ペースの速い地域となり、中国は重要な役割を果たしているとした。
また、「世界経済が今、金融分野の混乱、高インフレ、経済成長の減速といった課題を抱える中、中国はインフレ率を比較的低い水準に抑え、加えて新型コロナウイルス感染症対策の緩和後は経済が迅速に回復し、地域経済と世界経済の安定に貢献した」と述べた。
中国国家統計局が先月発表した今年第1四半期(1~3月)の国内総生産(GDP、速報値)は前年同期比4・5%増となり、伸び率は22年第4四半期(10~12月)を1・6ポイント上回った。
ピティ氏は、国際通貨基金(IMF)や国際決済銀行(BIS)を経て、タイ中央銀行で経済予測や金融リスク管理、金融政策などを担当し、金融分野で豊かな経験がある。ピティ氏は、中国が過去数十年、積極的に世界経済に溶け込み、経済の速やかな発展を実現し、その進歩は印象的だったと評価した。
中国は長期的な視野に立って戦略的不動心を保ち、経済の構造転換を推進し、より持続可能な発展を実現しているとし、「中国経済の見通しを楽観視している」と語った。
さらに、中国は東南アジア諸国連合(ASEAN)にとって最大の貿易相手であり、重要な外資の出資元、主要な観光客の送り出し国でもある。タイやその他のASEAN加盟国にとって、中国経済の重要性は言うまでもない。中国経済の急速な回復は、タイやその他のASEAN加盟国の経済成長見通しを高めるとした。
ピティ氏はタイと中国の経済・貿易協力の将来性を有望視しており、貿易や観光といった既存分野のほか、質の高い「一帯一路」共同建設、自国通貨での決済、新エネルギー車(NEV)などの分野においても、協力の潜在力が高いと期待を示した。