中国の研究者、がんの正確な検出と治療のためのナノ粒子開発
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中国の研究者、がんの正確な検出と治療のためのナノ粒子開発

新華社 | 2023-05-08 13:03:03

   【新華社北京5月8日】中国科学院精密測量科学・技術イノベーション研究院は6日、同院の周欣(しゅう・きん)研究員率いる研究チームが、がんの正確な検出と治療を可能にするナノ粒子の開発に成功したと発表した。これにより、がんの検出と治療における過剰な薬剤投与による副作用を大幅に軽減できる。関連の研究成果はこのほど、国際的な学術雑誌「Advanced Materials」に掲載された。

   同院によると、研究チームは腫瘍の微小環境と正常組織の違いを利用して、腫瘍をスマート識別できるナノ粒子GQD/NTを開発。ナノ粒子は腫瘍内で連続的に変形し、粒子内の薬剤が腫瘍の中で滞留する時間を延ばし、腫瘍内での薬剤の浸透を増進させることで、極めて少ない薬剤量によって長時間にわたるMRI検査と高効率のがん治療を実現するという。

   研究チームの専門家によると、薬剤の過剰投与はがんの検出や治療における副作用の主要原因となっている。

   GQD/NTはモジュール型の自己組織化ナノ粒子で、非常に簡単な手順で薬剤分子を封入でき、腫瘍の微小環境によるGQD/NT変形の促進を通じて、病巣での薬剤濃度を徐々に高めていける。マウスの実験では、がんの検出にGQD/NTを用いた場合、造影剤の使用量は従来の臨床技術の6~22%で済むことが明らかになった。また、注入後4~36時間以内に腫瘍部位の造影剤と正常組織との対比が際立ち、境界が明確になり、MRI検査の時間が大幅に延長された。

   チームはまたGQD/NTに基づく光線力学的療法を考案、1回の治療で腫瘍の体積を82%減少させ、2回の治療で腫瘍が完全に消滅した。実験では、光敏剤の総投与量は1・76~3・50μmol/kgと非常に低いレベルにまで減少し、文献報告と比較して1回の治療で90%、2回の治療で95%減少した。また、低用量のレーザーは皮膚に損傷を与えず、光線力学的療法における光敏剤の過剰摂取という問題を克服することが期待される。

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