「砂漠緑化の父」遠山正瑛とクブチ砂漠 内モンゴル自治区

「砂漠緑化の父」遠山正瑛とクブチ砂漠 内モンゴル自治区

新華社 | 2023-05-03 08:41:31

  4月27日、遠山正瑛氏の銅像。(オルドス=新華社記者/常博深)

 【新華社オルドス5月3日】中国内モンゴル自治区オルドス市が実施する外国メディア向けプレスツアーは4月27日、最後の目的地となる達拉特(ダラト)旗恩格貝(エンフバイ・バルガス)鎮に到着し、生態モデル区を訪問した。中国八大砂漠の一つ、クブチ砂漠の緑化状況について説明を受け、中国から「砂漠緑化の父」の称号を受けた日本人、遠山正瑛氏(1906~2004年)とクブチ砂漠にまつわる話に耳を傾けた。

  生態モデル区は同砂漠中央部の北端に位置し、面積は約30万ムー(約2万ヘクタール)。恩格貝地区で砂防・治砂事業が始まったのは1977年で、地元住民や国内外ボランティアの努力を経て「砂漠のオアシス」へと生まれ変わった。植生被覆率は7割に達し、環境は大きく改善された。

  恩格貝の砂防・治砂事業は、長年にわたり国内外の各界から力強い支援を受けてきた。園芸学者で砂漠緑化の専門家だった遠山氏もそのうちの一人で、90年代初めに恩格貝砂漠開発モデル区の指導責任者として招かれた。恩格貝での砂漠化防止活動は91年から十数年に及び、ボランティア7千人余りを率い、内モンゴル自治区のほかにも新疆ウイグル自治区や甘粛省、寧夏回族自治区などを回った。2001年には国連の「人類に対する思いやり市民賞」も受賞した。

  外国メディアの記者一行が訪れた日には、生態モデル区でボランティアによる植樹活動も行われた。同市では毎年、全市民植樹奉仕活動(全民義務植樹活動)を推進しており、3、4月の植樹シーズンにはモデル区職員も植樹に参加する。

  ボランティアの一人は「毎年参加している。植樹造林は防風と砂の固定に重要な役割を果たす。空気の質を改善し、砂塵嵐(さじんあらし)の発生を減らすこともできる。鼻炎を患っているが、ここ数年はそれほどひどくない」と語った。遠山氏に話が及ぶと、多くのボランティアが遠山氏の精神に感化され、毎年恩格貝で植樹活動に参加していると説明。恩格貝の砂漠化を改善した遠山氏に感謝の念を示した。

  同市の観光関連企業、恩格貝砂漠生態旅遊文化の呉昊(ご・こう)総経理は遠山氏について、恩格貝の緑化に取り組むすべてのボランティアの模範であり、実際の行動で中日両国の民間友好交流を促進したと語った。(記者/常博深)pagebreak

  4月27日、遠山正瑛記念館にある遠山氏の墓碑。記念館には遺灰の一部も納められている。(オルドス=新華社記者/常博深)pagebreak

  4月27日、内モンゴル恩格貝砂漠博物館に展示されている遠山正瑛氏ゆかりの品。(オルドス=新華社記者/常博深)pagebreak

  4月27日、内モンゴル恩格貝砂漠博物館に展示されている地球儀。(オルドス=新華社記者/常博深)pagebreak

  4月27日、恩格貝生態モデル区の「緑の壁」に刻まれた日本人ボランティアの名前。緑の壁には恩格貝で植樹した人々の名が刻まれている。(オルドス=新華社記者/常博深)pagebreak

  4月27日、恩格貝生態モデル区の「緑の壁」に刻まれた遠山正瑛氏の名前。(オルドス=新華社記者/常博深)pagebreak

  4月27日、恩格貝生態モデル区に立つ「日本協力隊」のプレート。(オルドス=新華社記者/常博深)pagebreak

  4月27日、恩格貝生態モデル区で植樹するボランティア。(オルドス=新華社記者/常博深)

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