中国の「南水北調」、北方への累計送水量600億立方メートル以上に

中国の「南水北調」、北方への累計送水量600億立方メートル以上に

新華社 | 2023-02-08 08:40:45

  【新華社北京2月8日】中国南方地域の水を北方地域に送る「南水北調」の東・中央ルート第1期プロジェクトの累計送水量が5日、600億立方メートルを超えた。黄河の年間平均天然流量を580億立方メートルとすると、約1年分を上回る水量が北方地域に送られたことになる。同プロジェクトの運営企業、中国南水北調集団が明らかにした。

 同プロジェクトは2014年12月に全面通水し、その後、年間送水量は増加の一途をたどった。中央ルートで送られる水は計画段階では補助水源だったが、受水地域の主力水源になっている。東ルート延伸工事の給水範囲は河北省や天津市に広がり、受水地域の給水保障能力を高めている。現在、1億5千万人が直接恩恵を受けている。

  南水北調集団の関係者によると、今年は通常の年度給水業務に取り組んだ上で、水源や沿線の各省・直轄市と緊密に協力し、通常の給水と生態補水を一体的に進め、送水の調整と洪水対策を合わせて考慮する。増水期前には、河川の生態補水流量を増やし、華北地区の河川や湖沼の生態系修復を後押しする。増水期には、リアルタイムで調整を最適化し、上・下流間の補水流量を動的に見直し、河川の増水状況に応じて送水調整のピークをずらし、北方への給水を全力で拡大する。

 生態補水の面では、中央ルートは北方の河川50本以上に計90億立方メートル以上の補水を行い、滹沱河(こだが)や白洋淀などの河川や湖沼の生態を改善しており、華北地区の浅層地下水の水位が下げ止まり、回復している。東ルート沿線の受水地域は川から汲み上げた水を利用して蒸発・漏洩水量を補い、湖沼の貯水の安定性を維持し、生態環境を持続的に好転させている。

 水質面では、中央ルートの水質は地表水2類基準(都市飲用水の1級水源保護区、希少水生生物の生息地)を維持または上回っており、東ルートの水質は地表水3類基準(都市飲用水の2級水源保護区、1類魚類保護区と遊泳区)を安定的に維持している。

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