スペイン観光業、中国人観光客の回復に期待

  【新華社マドリード１月１２日】スペインの観光業界団体メサ・デル・トゥリスモのカルロス・アベラ・ピカゾ事務局長はこのほど、新華社の取材に応じ「スペイン観光業にとって、中国は最も重要で可能性を秘める市場の一つだ」と語った。

　中国が国民の海外旅行を順次再開すると発表したことを受け、スペインの観光従事者は中国人観光客を積極的に迎える態勢を整えている。ピカゾ氏は中国の発表を「間違いなく良いニュース」と評価。中国が新型コロナウイルス対策の最適化と見直しを進めたことで、より多くの中国人観光客を迎えると予測した。

  新型コロナの感染拡大はスペイン観光業界に大きな打撃を与えた。スペイン国立統計局のまとめによると、２０１９年に同国を訪れた外国人観光客は延べ８３７０万人だったが、２０年は新型コロナの影響で１８９０万人に激減。２１年には３１１０万人に増えたものの、１９年の半数に満たなかった。

　ピカゾ氏によると、新型コロナの感染拡大前は、スペインを訪れる中国人観光客数が着実に増えていた。ビーチリゾートを好む欧米の観光客と異なり、中国人観光客は文化や芸術、サッカー、買い物などへの関心が高く、「非常に重要な存在で、季節にかかわらず訪れるので、閑散期の観光業の発展を促すだけでなく、さまざまな観光資源をアピールする機会を与えてくれる」と述べた。

　２３年は中国とスペインの国交樹立５０周年に当たり、両国の交流・協力が一段と深まる。ピカゾ氏は、スペイン観光業界がこのチャンスを捉え、より多くの中国人観光客を呼び込みたいと願っていると強調した。