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中国と琉球の友好交流の歴史を振り返る 福州琉球館を訪ねて
jp.xinhuanet.com | 発表時間 2018-06-23 09:05:09 | 新華社 | 編集: 王珊寧

 【新華社福州6月23日】柔遠(じゅうえん)駅(琉球館)は中国福建省の「省級文物保護単位」(省級文化遺産)で、同省福州市台江区にある宿場建築だ。明の成化8年(1472年)に建設が始まり、清代康熙六年(1667年)に再建された。同省の「海上シルクロード」において中国と琉球の友好的往来を示す重要な歴史の証だ。

 東漢時代、福州は海外各地から中原への貢ぎ物を届ける中継地だった。明代初期、中国と琉球王国が宗藩関係(宗主と属国関係)を結んでから、福州は琉球の朝貢貿易の重要な港となり、福州に代表される福建文化は琉球王国に深い影響を与えるようになった。明の成化年間(1465~1487)中、泉州の市舶司(海上貿易関係の事務を所管する官署)は福州に移され、福州は四方八方に通じる「海上のシルクロード」の要衝となった。

 当時、明や清の朝廷に琉球国王からの貢ぎ物を献上する任務を担っていた琉球の貢使(こうし)は、福州の沿海地域から上陸し、内陸地域へ移動する途中でまず柔遠駅に滞在し、それから「京城」(北京を指す)へ赴いて中国の皇帝に謁見していた。明の朝廷が同駅を「柔遠」と名付けた理由は 「遠人を優待し、以て朝廷の懐柔の至るを示す」(優待遠人、以示朝廷懐柔之至、遠方からの訪問者を厚くもてなすことで、朝廷の懐柔政策を明示する)という一文に由来している。当時、柔遠駅には多くの琉球人が滞在していたことから、一般的に琉球館と呼ばれている。「大明実録」(中国明朝の皇帝の実録)によると、成化から嘉靖末(1465~1566)の100年間で、琉球から朝貢に来た回数は78回に達している。この回数には琉球から貢使を迎える船や祝賀、弔問、冊封(中国の皇帝が周辺の国家の支配者をその国の王とみなす)の伺い、上奏などさまざまな名目で来た貿易船は含まれていない。

 柔遠駅は康熙七年(1668年)の再建を経て、嘉慶年間、同治年間に二回にわたって、朝廷による大規模な修復が行われたが、その後次第に廃れていった。ここ数年、柔遠駅は改修工事を経て,福州の対外友好関係史の博物館として無料開放されている。同館は、中国と琉球の友好交流の歴史に対する人々の理解を促すだけでなく、「一帯一路」構築の推進や世界文明の発展についての重要な歴史的根拠も与えている。(記者/魏培全)

 

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中国と琉球の友好交流の歴史を振り返る 福州琉球館を訪ねて

新華網日本語 2018-06-23 09:05:09

 【新華社福州6月23日】柔遠(じゅうえん)駅(琉球館)は中国福建省の「省級文物保護単位」(省級文化遺産)で、同省福州市台江区にある宿場建築だ。明の成化8年(1472年)に建設が始まり、清代康熙六年(1667年)に再建された。同省の「海上シルクロード」において中国と琉球の友好的往来を示す重要な歴史の証だ。

 東漢時代、福州は海外各地から中原への貢ぎ物を届ける中継地だった。明代初期、中国と琉球王国が宗藩関係(宗主と属国関係)を結んでから、福州は琉球の朝貢貿易の重要な港となり、福州に代表される福建文化は琉球王国に深い影響を与えるようになった。明の成化年間(1465~1487)中、泉州の市舶司(海上貿易関係の事務を所管する官署)は福州に移され、福州は四方八方に通じる「海上のシルクロード」の要衝となった。

 当時、明や清の朝廷に琉球国王からの貢ぎ物を献上する任務を担っていた琉球の貢使(こうし)は、福州の沿海地域から上陸し、内陸地域へ移動する途中でまず柔遠駅に滞在し、それから「京城」(北京を指す)へ赴いて中国の皇帝に謁見していた。明の朝廷が同駅を「柔遠」と名付けた理由は 「遠人を優待し、以て朝廷の懐柔の至るを示す」(優待遠人、以示朝廷懐柔之至、遠方からの訪問者を厚くもてなすことで、朝廷の懐柔政策を明示する)という一文に由来している。当時、柔遠駅には多くの琉球人が滞在していたことから、一般的に琉球館と呼ばれている。「大明実録」(中国明朝の皇帝の実録)によると、成化から嘉靖末(1465~1566)の100年間で、琉球から朝貢に来た回数は78回に達している。この回数には琉球から貢使を迎える船や祝賀、弔問、冊封(中国の皇帝が周辺の国家の支配者をその国の王とみなす)の伺い、上奏などさまざまな名目で来た貿易船は含まれていない。

 柔遠駅は康熙七年(1668年)の再建を経て、嘉慶年間、同治年間に二回にわたって、朝廷による大規模な修復が行われたが、その後次第に廃れていった。ここ数年、柔遠駅は改修工事を経て,福州の対外友好関係史の博物館として無料開放されている。同館は、中国と琉球の友好交流の歴史に対する人々の理解を促すだけでなく、「一帯一路」構築の推進や世界文明の発展についての重要な歴史的根拠も与えている。(記者/魏培全)

 

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