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重慶市、廃棄鉱山を一新し「ヨセミテ公園」に【ビデオ】
jp.xinhuanet.com | 発表時間 2018-06-08 22:26:15 | 新華社 | 編集: 王珊寧

  【新華社重慶6月8日】中国南西部の大都市重慶は山の多い土地で「山城」とも呼ばれている。市街地を取り巻くように走る4つの山脈は木々に覆われ、都市の環境を調整する「肺」の役割を果たしている。現地の人々は数年前、生存に欠かせない「肺」に多くの傷跡を発見した。

  石を打つ川の音が銅鑼の響きのように聞こえることから名前が付けられた銅鑼山は「傷」が最も深い山脈の1つ。山麓には新築高層住宅が最も密集する北部新城区がそそり立ち、銅鑼山中からは建築用の石灰岩が採掘された。

  20世紀70年代以降、採掘により銅鑼山は爆破され、岩盤に亀裂が入った。ピーク時は100社近くの企業が採掘を行っていた。

  長年の無秩序な開発で、銅鑼山は148段のむき出しの断崖絶壁となり、広大な森林は消失した。現地の鉱山主管部門のデータによると、銅鑼山区域で環境が破壊された面積は15平方キロ近くに達し、サッカーコート2千面分に相当するという。

  中国は近年、美しい自然の保護に力を入れている。長江上流の重要な生態障壁である重慶でも生態環境の全面修復が進行している。

  銅鑼山区域にあった26の鉱山はすべて閉鎖された。しかし閉鎖された鉱山も問題があった。崖からの落石や不安定な坑道に安全面でのリスクが存在したため、耕地として利用ができなかった。

  ネットユーザーが撮影した写真がこの廃鉱山の扱いにインスピレーションを与えた。写真愛好家が撮影した画像には、雨水の貯まった廃棄坑道が谷底を流れる川のような姿を見せ、水はミネラルの作用により鮮やかな緑色をし、まるでアメリカのシエラネバダ山脈の麓に広がるヨセミテ国立公園のような風景が映し出されていた。

  鉱山は思いがけず美しい風景となった。現地政府は廃鉱山を宝に変えようと鉱山公園の建設を決定した。生態環境の回復と同時に、地元の人々に観光による収入増加の道を提供した。銅鑼山鉱山生態整備プロジェクトが2015年、正式に開始した。

  同プロジェクトは「農業に適した場所は農業に、建設に適した場所は建設に、林業に適した場所は林業に」の原則に基づき、土方・石積み整地事業、緑化事業、道路事業、清掃事業、採掘影響エリアの農業開発利用事業などの方法で進められた。

  同市渝北区国土分局の胡天才局長は、2600万元以上を投資して進めた整備プロジェクトの第一期は2016年に完了し、合計650ムー(約43・3ヘクタール)の廃鉱山の地質環境回復と整備を終え、新たに利用可能な林を122ムー(約8・1ヘクタール)、耕地を280ムー(約18・7ヘクタール)、緑化景観用地を99ムー(約6・6ヘクタール)造成したと明らかにした。今後さらに4千万元を追加投資し、銅羅山の植生の改善を継続するという。

 

  重慶市渝北区国土分局の胡天才局長

  「区域整備には3つのステップがある。第一に、地質安全における潜在リスク、すなわち傾斜地に残る不安定な岩の除去。第二に、採掘で破損した山体の除去とスラグの移送。第三に、客土による緑化。石ばかりの土地に付近から土壌を運び入れ木や草を植え、部分的に耕地に戻す」(記者/周文沖)

 

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