【新華社マニラ11月15日】中国の李克強国務院総理は現地時間１１月１４日午前、フィリピン国際コンベンションセンターで、第２０回東南アジア諸国連合（ＡＳＥＡＮ）－中日韓（１０＋３）首脳会議に出席し、ＡＳＥＡＮ１０カ国の首脳および日本の安倍晋三首相と韓国の文在寅（ムン・ジェイン）大統領も出席した。フィリピンのドゥテルテ大統領は会議を主宰した。
李克強総理は発言の中で、「２０年にわたり１０＋３協力メカニズムは常に改善され、協力分野が徐々に開拓されてきた。中国は今回の会議がコンセンサスをさらに凝集させ、地域一体化への強い支持と東アジア経済共同体の建設推進という積極的なメッセージを伝え、地域と国家の人民に利益をもたらし、開放型世界経済の構築のためにプラスエネルギーを注入することを期待する」と表明した。
李克強総理は、「東アジア経済共同体の構築は１０＋３協力の戦略的目標の一つであり、地域と国家の人民の長期的で根本的な利益に合致する。中国は、東アジア経済共同体の建設において、地域経済の一体化を促進し、融合発展と共同発展を実現するという『一つの宗旨』を堅持しなければならないと主張する。また東南アジア諸国連合の中心的な地位を堅持し、協議の一致、開放と包容性、各国の快適さへの配慮という『ＡＳＥＡＮ方式』を堅持するという『二つの原則』を堅持しなければならない。そして、１０＋３協力を主要な経路とし、ＡＳＥＡＮと中国、日本、韓国それぞれの１０＋１協力を基礎とし、中日韓、瀾滄江－メコン川、ＡＳＥＡＮ東部成長地域などのサブ地域協力を有益な補足として、東アジア経済共同体の建設において健全、安定、持続可能を終始維持するという『三つのレベルの協力』を推進する」と表明し、これについて６つの提案を提出した。
第一に、貿易の自由化と円滑化を大いに推進し、単一の市場へ徐々に邁進する。各国は市場開放をさらに拡大し、サービス貿易と投資の自由化と円滑化のレベルを引き上げるべきである。中日韓自由貿易区の協議を推進、加速させ、より積極的な姿勢で地域の全面的な経済パートナーシップ協定を推進する。東アジア通関協力メカニズムを構築し、税関協力を強化し、クロスボーダーＥＣの発展のために優れた環境を創造する。
第二に、生産能力と投資における協力を拡大し、互恵・ウィンウィンの産業チェーンを作り出す。軽工業、紡績、家電、建材、冶金などの伝統産業の投資協力を拡大すると同時に、デジタル経済、スマート経済、グリーン経済、共有経済などの新興産業の協力の推進も加速させる。三者協力スペースを開拓する。大型企業の牽引作用を発揮させると同時に、中小企業の関連協力作用も発揮させ、「１０＋３中小企業サービス連盟」を共同で構築する。
第三に、インフラ協力を強化し、相互接続を実現するネットワークを構築する。中国は「一帯一路（シルクロード経済ベルトと２１世紀海上シルクロード）」構想とＡＳＥＡＮのコネクティビティ全体計画をより良く連結させ、「東アジアコネクティビティ全体計画」の制定を共同で検討し、陸上、海上、航空、ネットワーク上の四位一体の相互接続を推進することを望んでいる。
第四に、金融協力を深化させ、地域金融の安定を維持する。地域金融協力体系構築を共同で推進し、チェンマイ・イニシアティブの多国間協定の段階的評価をうまく実施し、協定の有用性、有効性、安全性を引き上げ、地域金融セーフティネットを建設し、アジアインフラ投資銀行、シルクロード基金、アジア金融協力協会の役割を十分に発揮する。
第五に、持続可能な発展協力を強化し、均衡がとれ包容性があり包括的な地域発展構造を構築する。東アジア経済共同体を建設し、各国が幅広く益を受けられるようにし、特に発展が不足している国家、社会的弱者層への配慮を示すべきである。
第六に、人文交流協力を拡大し、共同体の意識を凝集させる。人民間の交流を拡大し、観光協力をさらに強化する。
李克強総理は、「より開放的でより強大な中国は、十数億人の中国の人民に益するだけでなく、東アジアを含む世界各国により多くの市場、成長、投資、協力のチャンスを提供するだろう。共に手を携えて進み、東アジア経済共同体建設を共に推進し、１０＋３協力のさらなる活力を備えた次の２０年を共に切り開こう」と強調した。
会議は、成果文書の『１０＋３首脳食糧安全協力に関する声明』と『１０＋３協力２０周年に関するマニラ宣言』を採択した。
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