【新華社北京5月18日】17日午前、中国国務院の李克強総理は専用機で北京を出発し、就任後初の南米諸国訪問をスタートした。ブラジル問題の多数の専門家がこの間、新華社記者の取材を受けた際に、今回の訪問で中国とブラジルの経済貿易投資などの分野の実務的協力を推進することによって、中国とブラジルの関係が新しい段階に進むという見解を示した。
前任の陳篤慶在ブラジル中国大使は次のように表明した。李克強総理がブラジルを今回の南米諸国訪問の最初の訪問先としたことは、中国とブラジルの全面的戦略パートナーシップを中国が高く重視していることを十分に体現している。陳篤慶中国大使は、中国とブラジル両国はともに経済構造調整期にあり、主要マクロ経済指標がそれぞれ低下していく重圧に直面している。現在はまさに双方が協力関係を深化させる良好な契機となっている。このために、二国間経済貿易協力の新しい成長ポイントをいかにして発掘し、各分野の協力を深化させるために、いかにして新しい思考方法と新しい措置を提起していくかについて、両国政府と企業界が共同で知恵を絞る必要があると述べた。
今回、総理がブラジルを訪問する一つの経済的背景は、中国経済が「新常態」のもとで、高速成長から中高速成長に移行し、2014年に国内総生産(GDP)の前年同期比の成長率が7.4%を実現したことだ。ブラジルは、昨年の経済成長率はわずか0.1%で、同年のインフレ率は6.41%で、且つ長い年数を経て初めて初歩的な財政赤字を計上した。二国間経済貿易では、中国税関総署のデータで、中国とブラジルの昨年の貿易額は866億ドルで、前年同期比で4%減少し、今年第1四半期はさらに前年同期比で20.7%減少したことが示された。
これに対して、陳篤慶中国大使は次のように分析した。昨年の両国の経済貿易総額はやや減少したが、事実上、貿易量は減少しておらず、このうち国際的にバルク品の価格が下落に転じたことが主な客観的原因となっている。また、今年以降の貿易額減少は、大豆などの農産品の季節的な要因が背景にある。
陳篤慶中国大使の観点は、レオーニ在中国ブラジル大使の賛同を得た。レオーニ大使は次のように説明した。両国貿易の主な特徴は一貫してブラジルが中国に大量に輸出する大豆、砂鉄鉱などの一次産品であり、貿易額が現在、一時的に減少したのは、中国の需要が縮小し、上記バルク品の国際価格が下落した二重の要因が作用した結果だ。今後にかけて、安定して回復すると予想されるため、過剰な分析は必要ない。
社会科学院南米ブラジル研究センターの周志偉執行主任は次のように述べた。両国の経済貿易関係の「新しいエンジン」の一つである生産能力の連携は、将来的に経済貿易関係のモデル転換とアップグレードにチャンスをもたらすが、その前提は両国の産業と生産能力が「連動」(「ドッキング」)することだ。
周志偉執行主任はまた、次のように述べた。一方で、中国は産業規模、技術及び生産能力で高い優位性がある。もう一方で、インフラ整備が遅れ、投資率が低いブラジルは本国の産業の競争力向上を核心とする生産能力のアップグレードと産業構造の改善を推進しつつあり、双方は生産能力を連動」(ドッキング)させる基本条件を備えている。
(新華網日本語)
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