スーパーにもモバイル決済にも利益
米国のスーパーでは、ビールと紙オムツが隣り合った棚に並んでいることがある。母親は家で子どもをあやし、父親はスーパーでオムツを買い、ついでにビールもカゴに放り込むという光景がよくみられる。こうしてビールと紙オムツが絶妙に結びつくことになった。これはビッグデータに基づく配置だ。支付宝系の金融商品「余額宝」や支付宝の決済サービスは豊富な資金を元手にしてスーパー分野に足を踏み入れたが、実際のところはどちらも利益を得ている。
京客隆スーパーの関係者は、「モバイル決済で消費者は確かに実質的な恩恵を受けている。同時にスーパーの決済モデルもバージョンアップしているので、スーパーもこうした新しい業態を歓迎している」と話す。
またこれまでは消費者の決済に関するデータはスーパーが握っており、決済プラットフォームが利用することはできず、電子決済のビッグデータなどの分析対象としての価値が発揮されることはなかった。
だが時代は少しずつ変わってきた。支付宝の今回のウォルマートとの協力により、ビッグデータの処理は重要な一歩を踏み出すことになった。支付宝によれば、基本的な決済での連携だけでなく、ウォルマートと支付宝はビッグデータの運用、会員の管理、O2O(オンラインとオフラインの連携)などで協力を進める予定だという。
業界関係者によると、国内のスーパー業界が体系化されたビッグデータの運用を行った例はこれまでになく、これから発掘する価値のあるビッグデータがまだまだたくさんある。支付宝ブランドを擁する螞蟻金融服務集団は、支付宝のビッグデータの能力とO2Oソリューションは、ウォルマートがより科学的なデータ化された経営と顧客管理を実現し、経営コストを引き下げ、経営効率を高めるのを助ける。たとえば、支付宝がビッグデータの分析を提供し、店舗はさまざまな層の行動の傾向、消費の嗜好、生活半径、信用レベルなどを踏まえて、ビジネスを考えることができるようになるという。