国内で初めて、世界で3つ目となる、陽子線治療と重粒子線治療を同時に取り入れた近代的医療機関の「上海市陽子線・重粒子線病院」および「復旦大学付属腫瘍病院陽子線・重粒子線センター」が8日に開業した。これにより中国のガン治療は「粒子線時代」に突入したことになり、重症の腫瘍患者やガン患者にとっては朗報だ。
腫瘍治療のための陽子線や重粒子線を用いた放射線治療は、世界で今、最先端の放射線治療技術と認められており、ガン細胞に対する殺傷効果が高く、副作用は軽く、ガン治療の切り札と呼ばれている。頭頸部、脳、前立腺、軟部組織、肺、肝臓などにできた腫瘍に効果があるほか、手術が難しい腫瘍や、通常の放射線治療では十分な効果が得られない腫瘍に対しても十分な効果がある。現在、陽子線・重粒子線を用いた放射線治療の臨床技術を備えるのは、ドイツ、日本、米国など少数の先進国だけだ。中国では国の部・委員会の支援を受けて、2009年に上海市陽子線・重粒子線病院のプロジェクトがスタートし、基礎工事が完成すると、技術設備のサプライヤーであるドイツ・シーメンスの約2年半に及ぶシステム設備の取り付けテストが行われ、その後2014年6月に臨床試験がスタートした。同病院では昨年6月14日から9月28日にかけて、35件の治験が実施され、治療後の3カ月目と6カ月目には経過観察が行われ、その結果、陽子線・重粒子線システム設備は安全性の面でも即効性の面でも、満足のいく結果を出すことが確認された。陽子線・重粒子線治療を取り入れた病院の建設は非常に難しく、費用も巨額だ。シーメンスから購入したシステム設備だけで、価格は13億元(約250億円)にも達する。
(人民網日本語版)
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