【新華社北京4月14日】日本文部科学省が先ごろ発表した新しい中学校教科書の検定結果では、検定に合格した一部の教科書が南京大虐殺などの事件に対する描写が曖昧だったという。取材に応じた中国の学者は、このようなやり方は明らかな後退で、日本は関連国の了解が得にくいものとみなしている。
日本・文部科学省が近頃発表した新しい中学校教科書の検定結果では、一部の教科書が南京大虐殺などの事件の表現方式を改定している。たとえば、現行版の日本軍が「多くの捕虜や住民を殺害した」から「捕虜と住民が巻き込まれ、多くの犠牲者が出た」に改定している。また別の教科書では「旧日本軍の暴行は厳しく非難された」などの表現が削除された。
「こんな曖昧な表現方式はとても狡猾で、学生の歴史に対する認識を誤って導きがちです。」中国社会科学院近代史研究所の歩平所長は「長期にわたってこのままでは、民衆の戦争や歴史への反省に影響を及ぼす恐れがあります。」と語っている。
歩平所長は、日本の教科書は南京大虐殺に触れないところからこの歴史を直面するようになったところまで、数十年の長いプロセスを経ており、それ自体が一つの進歩だといえる。しかしここ数年、日本はこの問題の態度における後退が現れたとの見解を示している。「このままでは、日本は戦争時侵略されたアジアの国々の了解を得るのは難しいしょう。」と歩平所長は語った。
「教科書が選択性によって一部の歴史事件を回避することは、学生の歴史に対する認識に影響を及ぼします。」中国人民大学国際関係学院の金燦栄副院長は、それに加え歴史事件に対する偏見を帯びた理解は、学生の具体的な歴史事件への見方に一層影響を及ぼすだろうと述べている。