日本が創設メンバーとしてAIIB加盟を見送った原因 中国社会科学院呂耀東研究員

Jp.xinhuanet.com | 発表時間 2015-04-01 13:36:52 | 編集: 薛天依
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中国社会科学院日本研究所の呂耀東研究員 新華網 薛天依撮

   【新華社北京4月1日】中国が提起したアジアインフラ投資銀行(AIIB)は31日に、創設メンバーとして参加意向を表明する期限を迎えたが、世界の第一経済体と第三経済体の日米両国が参加表明を見送った一方、欧州主要国を含む46カ国が参加を表明した。新華網は日本政府のアジアインフラ投資銀行に対する態度、アジアインフラ投資銀行とアジア開発銀行、世界銀行の関係などの問題について、中国社会科学院日本の呂耀東研究員を取材した。

   呂耀東研究員はアジアインフラ投資銀行(AIIB)の成立には重大な意義があると評価する。呂研究員によると、アジアインフラ投資銀行(AIIB)とアジア開発銀行は協力と競争の関係にある。世界銀行とアジア開発銀行の貸付金には常に厳しすぎる付加条件がついている。アジアインフラ投資銀行の成立は新しい理念と新しいやり方をアジア金融システムにもたらし、その成立によって生まれた競争はアジア金融融資関係を改善する。

   日本が意向創設メンバー国としてのアジアインフラ投資銀行(AIIB)に参加しなかった原因について、呂研究員は次の三つの原因をあげた。

   第一に、日本は中国との地域協力や多国間金融協力、国際秩序についていくつかの違う意見を持っている。日本はアジア開発銀行の主導者としてアジア地域全体の金融システムに対してけっこう大きな影響力を持っている。中国がアジアインフラ投資銀行を成立することは既存のアジア地域の金融システムに影響をもたらすことになる。日本がAIIBへの参加を見送ったには、不透明な組織運営や融資審査基準などの理由を挙げた。日本はアジアインフラ投資銀行が今まだ計画準備の段階で、将来その運営や配置などには日本の予想とちがう所があるのではないかと疑っている。

   第二に、日本には日本政府と異なる声がある。たとえば、石原伸晃前環境相は中国が提出したアジアインフラ投資銀行を評価し、中国がすでに世界の第二位の経済大国になったし、このような地域協力と多国間金融協力システムはアジア太平洋地域全体に利益をもたらすと肯定した。上述の意見は一部の日本人の考えを代表している。だから、静観的な態度も日本政府が3月31日の前にアジアインフラ投資銀行に加盟していない原因のひとつだ。

   第三に、第二次世界大戦後の国際秩序は米国によって主導されている。このような国際システムは安全、政治、経済金融など多くのことをカバーしている。そのうち、中国などの発展途上国が地域金融システムを提起することは、日米が構築した経済金融システムに対してひとつの衝撃になる。

   日本側が提出したいわゆる不透明な組織運営などの問題について、呂研究員は次のように答えた。加盟した意向創設メンバー国の数が増えることにつれて、透明性も向上する。もし日本は中国が「一票否決」の主導権を持つことを心配しているなら、これについて、中国政府はすでにそんなことがないと明言した。中国は多くの国が加盟することを歓迎している。アジアインフラ投資銀行(AIIB)の計画準備や初期運営の進みにつれて、日本は適切な判断を出せるだろう。

   呂研究員はまた、日本がアジアインフラ投資銀行に参加することは日本に有利だと思い、次のように指摘した。日本がアジアインフラ投資銀行(AIIB)に参加することは、地域の利益から見ても、日本の利益から見ても有利だ。日本は今参加しないのは、既存の利益を維持したいばかりで、協力とウィンウィンの立場からの考慮は欠けている。現時点で46カ国が創設メンバー意向国としてアジアインフラ投資銀行加盟を申し込んだ。その数は日米の予想を遠く超えただろう。これは中国の経済発展、または中国が提出した理念に対する認めだ。呂研究員は日本が将来アジアインフラ投資銀行に「参加」する可能性が高いが、その「参加」の具体的な形なら、メンバーとしてアジアインフラ投資銀行に加盟する代わりに、多国間銀行の間の協力という形を取るだろうと予測した。(記者/薛天依・彭纯

   (新華網日本語)

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キーワード    日本 AIIB 加盟
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