中国発展ハイレベルフォーラムが、22日に北京で開かれました。今年、アジアインフラ投資銀行(AIIB)、"一帯一路"(シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロード)、新常態(ニューノーマル)などは、このフォーラムのキーワードとなりました。
19の国と地域からおよそ400人が参加し、IMF・国際通貨基金、アジア開発銀行、OECD・経済協力開発機構、世界銀行などの国際機関の代表もこのフォーラムに出席しました。
≪アジアインフラ投資銀行≫
アジアインフラ投資銀行はこのフォーラムで最も頻繁に取り上げられたキーワードです。この銀行の借款規模や投資先、投資業種などが注目されています。
IMF・国際通貨基金のラガルド専務理事は、「中国がアジアインフラ投資銀行を設立することを歓迎する。中国が先頭に立って多国間の金融機関を設立する理由も十分にある」と述べました。
アジア開発銀行の中尾武彦総裁は、アジア開発銀行とアジアインフラ投資銀行は競争関係ではなく、協力関係にあるとしています。
中国の楼継偉財政相によると、アジア開発銀行とアジアインフラ投資銀行が、現在、協力について交渉していることがわかりました。
≪一帯一路≫
中国の"一帯一路"戦略は世界の60余りの国、44億人に関係してくる巨大構想です。マスターカードのアジェイ・バンガ社長は、"一帯一路"が世界貿易の発展を推し進める動力だとしています。
中国の張高麗副首相は、このフォーラムの開幕式での挨拶で、2015年の地域の発展戦略において、中国は、"一帯一路"、北京天津河北省の共同発展、長江経済ベルトといった3大戦略を重点的に実施すると述べました。
中国の高虎城商務相は、「実質上の交渉を終えた中韓、中国とオーストラリアの自由貿易区は、"一帯一路"の沿線にある。また、中国と南アジア、中央アジア、西アジアの関係国と地域レベルの組織は自由貿易区設置の交渉や実現可能性を調査する段階に入っている」と述べました。
≪新常態≫
経済学者の呉敬璉氏は、新常態の特徴の一つ目は、経済の成長スピードが緩やかになること、二つ目は経済発展方式の転換で、今はこの転換が進行中だとしています。
改革によって経済の発展方式の転換が実現できることは国内外の共通認識となっています。世界銀行のスリ・ムルヤニ・インドラワティ専務理事は、「中国の新しい改革ルートはこれまでのアプローチと異なる。中国経済がさらに持続的に発展し、より効率的になるため、改革を行う必要がある」と述べました。
≪新しい形の大国関係≫
今年92歳のキッシンジャー元アメリカ国務長官は、このフォーラムで、「米中の新しい形の大国関係は、潜在的な競争相手との間に構築される大国関係である。これまで、"守りの大国"と"新大国"は、衝突を解決するため軍事手段に頼ってきたが、今は通用しない。米中は衝突を乗り越え、国際秩序の新しいモデルをスタートさせるべきだ」と述べました。
このフォーラムに出席している中国外務省の張業遂次官は、国際秩序は改革を必要としているが、ゼロからの再構築ではないと語りました。
(中国国際放送局)
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