【新華社東京3月17日】第二次世界大戦中、従軍の経験はないが日本による中国侵略を経験した日本人の高齢者3人が15日、日本・埼玉県さいたま市でのある中日友好活動の場で新華社記者の取材に応じた際、歴史を徹底的に反省することは、日本が隣国と友好関係を築く前提で、侵略戦争を認め、後世の人々に過去についての真実を語ってこそ、戦争への正しい認識を形成し、世々代々の平和が実現できるとの見解を示した。
岩本農夫雄さんはあの頃の経験に対し、このように語った。「我たちは旧日本軍に中国まで強制的に連れてこられて働かされ、日本軍に協力させられましたから、間接的には戦争に参与し、戦争を支持したともいえます。」
岩本さんは、安倍晋三首相が今後どんな談話を発表するのであっても、正しい歴史認識は一貫して「村山談話」の中で述べられたように、日本の植民地統治と侵略は多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に多大な損害と苦痛を与えたと伝えるべきだとの見解を示した。「私たちは確かに『侵略』に行ったんです。私たちは『村山談話』を継承するべきです」と岩本さんは語った。
今年85歳の岩本さんは次のように語った。「戦争を経験した人々はしだいに老いてゆき、日本社会全体の戦争への記憶が日益しに薄れています。」我たちは次の世代に過去についての真実を語るべきで、教科書にも『日本は過去に侵略戦争を発動した』とはっきり書くべきです。いずれにせよ、日本は必ず謝罪せねばなりません。」
今年83歳の橋村武司さんは、「安倍談話」について、戦後70周年に発表される談話は「村山談話」の精神と一致するべきで、その中で最も重要なのは歴史に対して徹底した反省を行うことで、「私個人では、安倍首相は本当の反省とは何かを分かっていないと思っています」。
橋村さんは戦争には直接参与していないが、戦時中の記憶は軍国主義の道を再び進もうと企てる右翼主義に対し非常に反感を抱かせている。橋村さんは安倍首相の右翼思想に反対し、また安倍首相による平和憲法の改正や国防軍の設定への企てに対し、不満を感じているという。橋村さんは「国を守るだけなら軍隊は必要ないんです。私たちは戦争が起こる前に対話を通して問題を解決するべきです。日本が戦後大きく発展したのは、日本が軍備では財力や精力を消耗しなかったからです。」と語った。
「日本はドイツに学ぶべきです。ドイツは歴史に対し徹底した反省を行って、ようやくフランスと周辺の隣国との友好を実現させました。日本の今のやり方は残念に思わせます。」と橋村さんは語った。
「関東日中平和友好会」の新宅久夫会長は1935年に長春で生まれた。新宅会長は中国を自分の第二の故郷だとみなし、「以前私の父は満鉄病院で薬剤師をしていました。第二次世界大戦後、大勢の人が強制的に戦場へ連れて行かれましたが、私の父はずっと兵隊にとられなかったので、比較的幸運だったといえるでしょう。」と言った。
新宅久夫会長は「安倍首相は戦後生まれで、戦争の経験がないし、戦争の悲惨さもちっとも分かっていません。歴史認識では、安倍首相は彼の祖父のもつ右翼思想を完全に継承し、侵略を否定し、極東国際軍事裁判の審判結果を否定しています。安倍首相の歴史認識は間違いですが、このような思想は安倍首相の執政の下で、一部の若者にも影響をもたらしています。」と述べ、また「今の日本の若者は政治参加意欲が低く、今起きてる全ての事は自分には関係ないと思っていますが、これは間違いです。結局は、将来本当に戦争が勃発したら、戦場へ行くのは若者なんです。」と述べた。
新宅会長は次のように述べた。安倍首相は報道規制を通じて、自分にとって不利な大多数の言論を隠蔽し、メディアを政府のプラットフォームとして、その台本を暗唱させている。この影響に抵抗するためには、反対運動が不可欠だ。「私たちは高年齢で微力かもしれないが、（安倍内閣）を放任しておくと、状況はさらに悪化するだけだ。」新宅会長は、中国で「星のように小さい火は野原全体に延焼し得る」という言い伝えがあるが、彼らは引き続き平和を守るために、日中友好のために努力する、と表示した。
（新華網日本語）
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